トランプ氏「パウエルFRB議長を解任する予定ない」 司法省捜査の行方は
米国の金融政策の中枢を担うFRB(連邦準備制度理事会)をめぐり、ドナルド・トランプ米大統領が「パウエル議長を解任する計画はない」と語りました。米司法省(DOJ)がパウエル氏に関する刑事捜査を進めているとされる中での発言だけに、今後の展開が注目されます。
何が起きたのか:解任は「今は考えていない」
トランプ氏はインタビューで、FRB議長ジェローム・パウエル氏を職から外すつもりがあるか問われ、「それをする予定はない」と明言しました。一方で、最終的にどうするかは「時期尚早」「早すぎる」として、結論を先送りする姿勢もにじませています。
さらにトランプ氏は、パウエル氏について「いまは(判断を保留する)ホールディングパターン(様子見)の状態だ」と述べ、今後の対応は状況を見て決めるとの趣旨を示しました。
背景:FRB本部改修をめぐる刑事捜査と証言の焦点
関係者の話として、1月11日に、米ワシントンのFRB本部で進む約25億ドル規模の改修プロジェクトをめぐり、ワシントンDC連邦検察(米コロンビア特別区連邦検察局)が刑事捜査を開始したと伝えられました。捜査では、2025年6月の公聴会でパウエル氏がこの件について議会に「虚偽の証言」をしたかどうかも調べているとされています。
パウエル氏は最近、DOJがFRBに召喚状(subpoena)を出し、刑事責任を問う可能性を示唆していることを確認した上で、この捜査を「口実(pretext)」だと表現しました。利下げをめぐる追加的な圧力をかける狙いがある、というのがパウエル氏側の見立てです。
「後任」発言が示すもの:人選はすでに視界に
トランプ氏は、将来の後任候補として、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏、またはホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長のケビン・ハセット氏のいずれかを指名する考えに傾いていると語りました。一方で、スコット・ベッセント財務長官は候補から外すとも述べています。
「解任はしない」と言いつつも「後任」を具体的に挙げる構図は、FRB議長人事がすでに政治日程と結びついて語られ始めていることを印象づけます。
タイムライン:任期は2026年5月まで(議長)、理事は2028年まで
- パウエル氏のFRB議長としての任期:2026年5月に満了予定
- FRB理事としての任期:2028年まで継続
現在(2026年1月時点)、議長任期の満了まで数カ月というタイミングです。解任の有無に加え、捜査の進捗や政権側の発信が市場の受け止め方を左右しやすい局面に入っています。
なぜ今重要なのか:金融政策の「独立性」と政治の距離
金利の決定は、家計のローン金利から企業の資金調達、為替や株式市場のムードまで広く影響します。その中枢にいるFRB議長が刑事捜査の対象とされ、当事者が「口実だ」と反論し、さらに大統領が「まだ早い」と含みを残す――。この並びは、金融政策運営の安定性と、政治との距離感をめぐる問いを自然と浮かび上がらせます。
今後の注目点:3つのチェックポイント
- 捜査の具体的な進展:改修プロジェクトと議会証言をめぐる事実認定がどう示されるか。
- ホワイトハウスの次の発信:「解任の予定はない」と「時期尚早」の間にある余白がどう埋まるか。
- 次期議長人事の現実味:ウォーシュ氏・ハセット氏の名前がどの段階で“候補”から“プロセス”に移るのか。
いまは「解任しない」という言葉が前面に出ていますが、捜査・人事・金融政策の3点が同時進行しているからこそ、ニュースの見出し以上に“間”の部分が市場と世論の関心になりそうです。
Reference(s):
Trump says he has no plans to dismiss Fed Chair Jerome Powell
cgtn.com








