グリーンランド協議、デンマーク「建設的」 米と技術協議開始
デンマークと米国がグリーンランドをめぐる協議を再起動しました。緊張が高まりかけた局面から、対話で「軌道に戻る」兆しが出ている点が、いま注目されています。
何が起きたのか:米・デンマーク、グリーンランドで技術協議
デンマークのラース・ルッケ・ラスムセン外相は2026年1月29日、ブリュッセルで開かれたEU(欧州連合)の会合の場で、グリーンランド問題をめぐる米国との協議について記者団に説明しました。
外相によると、ワシントンで現地時間1月28日に「上級当局者レベルの最初の会合」が行われ、雰囲気やトーンは「非常に建設的」だったといいます。すでに追加会合も予定されており、外相は「解決したわけではないが、良いことだ」と述べました。
背景:トランプ大統領の強硬姿勢が後退、三者協議へ
今回の三者協議(米国・デンマーク・グリーンランド側を含む枠組み)は、米国のドナルド・トランプ大統領が先週、デンマーク自治領である北極のグリーンランドを「掌握する」といった趣旨の強い言動から後退した後に始まったとされています。
外相は「大きな迂回があった。エスカレートしていたが、いまは軌道に戻った」と表現し、「1週間前より少し楽観的だ」と語りました。
「枠組み」合意の示唆と、不透明な具体策
報道内容によれば、トランプ大統領はNATO(北大西洋条約機構)のマルク・ルッテ事務総長との間で、米国の影響力をより強めるための「枠組み」に合意したと述べたとされています。一方で、合意の具体的な中身は多くが明らかになっていません。
また、デンマークおよびグリーンランド当局は、主権の移転(引き渡し)について議論することを拒否しているとされ、政治的に最も敏感な論点は棚上げされたままです。
一致点は「北極の安全保障懸念」:NATO強化と条約見直しの可能性
ラスムセン外相は「米国の北極に関する安全保障上の懸念は共有している。緊密な協力で解決したい」と述べ、対立点がある一方で、問題設定そのものは一定程度共有されていることを示しました。
妥協案の一部として、以下が取り沙汰されています。
- NATOが北極での活動を強化する
- デンマークとグリーンランドが、米軍の部隊展開に関する1951年の条約を再交渉する可能性
ここには、領有や主権といった「ゼロサム」になりやすい争点を正面衝突させるよりも、部隊運用・監視・抑止といった実務面を積み上げて、摩擦を下げる狙いがにじみます。
今後の焦点:対話の継続と「具体化」の難しさ
今回の協議は、危機の沈静化に向けた第一歩ではあるものの、「何をどこまで」「誰が負担し」「どんな権限を持つのか」といった実務の設計が次の壁になります。北極の安全保障と同時に、自治領としてのグリーンランドの立場、デンマークの同盟国としての説明責任、NATOの関与範囲が絡み合うためです。
会合が「建設的」だったという言葉の裏側で、次の会合でどこまで具体案が積み上がるのか。2026年初頭の北極をめぐる外交の温度感は、当面ここに集約されそうです。
Reference(s):
Denmark hails 'very constructive' meeting with U.S. over Greenland
cgtn.com








