米・イラン核協議、会場未定のまま今週再開へ ドローン・タンカー事案で緊張
米国とイランの核関連協議が「数日以内」に再び動き出す見通しです。ただ、会場や形式が最終確定しておらず、さらにドローンやタンカーをめぐる事案が重なって、外交の空気は不安定さも抱えています。
協議は「近日中」—ただし会場と形式は詰めの段階
米国側は、ドナルド・トランプ大統領が2月3日に交渉が進行中だと述べ、イラン側にも対話への意思があるとの見方を示しました。複数回の会合になる可能性にも触れた一方、具体的な日時や場所は明らかにしませんでした。
イラン外務省も、交渉計画はすでに策定済みで、会場などの実務調整を進めているとしています。複数の地域の国が開催国として名乗りを上げているとも述べ、決まり次第公表する方針です。
また、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、米国との「公正で衡平」な交渉を進めるよう外務省に指示したとし、協議は「尊厳、慎重さ、便益(expediency)」の枠組みで行われるべきだと発信しました。
2月6日案から、オマーン案へ?
中国メディアグループ(CMG)が得た情報として、米国大統領特使スティーブ・ウィトコフ氏と、イランのアッバス・アラグチ外相が、当初は2月6日にイスタンブールで会う想定だったと伝えられています。
ただし、その後イラン側は「会場」と「形式」の変更を要請。会場はイスタンブールからオマーンへ、形式はアラブ・イスラム諸国を含む広い枠組みではなく、厳格な二国間協議を提案したとされています。ホワイトハウスは、変更要請がありつつも協議は今週行う予定だとしています。
交渉の足元で起きた「軍事的摩擦」—ドローンとホルムズ海峡
外交の動きと並行して、現場では緊張を高めかねない出来事が続いています。2月3日には、米軍とイランのドローンをめぐる双方発表が相次ぎました。
- イランメディアは、国際水域での「監視任務」を遂行し、近傍地域の動向をリアルタイムで送信したと報道。
- 一方でイランの準公式メディアは、ドローン1機と連絡が取れなくなったとし、原因を調査中だと伝えました。
- 米中央軍(CENTCOM)は、空母「USSエイブラハム・リンカーン」に接近したイランのシャヘド139(Shahed-139)ドローンを、アラビア海でF-35Cが「自衛」として撃墜したと発表。人的被害や装備損傷はないとしています。
さらに数時間後、ホルムズ海峡周辺でも別の緊張が報告されました。米中央軍は、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の船舶2隻とドローンが、米国籍の油槽船に接近し、乗り込み・拿捕を示唆する脅しがあったと主張。米駆逐艦「USSマクフォール(McFaul)」が即応し、空軍支援も受けて護衛し、事態は沈静化したとしています。
これに対しイラン側は、当該船舶が航行許可なくイランの領海に不法侵入したため警告し、その後、船舶はイラン水域を離れたとの見解を示しています。現場の事実関係の認識が食い違うなか、交渉の「温度」を一段上げてしまうリスクが浮き彫りになりました。
イスラエルは懐疑的—ワシントンとの協議で強硬論も
こうした局面で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は2月3日、訪問中のウィトコフ氏と3時間超にわたって協議し、国防・情報機関の高官らも同席しました。首相府によれば、ネタニヤフ氏は「イランは信頼できず、約束を守れない」との認識を米側に伝えたといいます。
CMG記者の情報として、イスラエル側が合意の条件として重視し得る論点は、主に次の3点だと伝えられています。
- 核兵器の野心の放棄
- 弾道ミサイル開発の停止
- イスラエルが敵対的な代理勢力とみなす武装勢力への支援停止
また、外交が失敗した場合に備え、軍事的選択肢を残すべきだという主張も示されたとされています。
トルコ(Türkiye)は仲介に意欲
協議の「会場」をめぐる調整が続くなか、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は2月3日、米国とイランの緊張緩和に向けて仲介役を担う用意があると表明しました。地域が衝突へ傾くことにつながる行動に反対する立場も改めて強調しています。
いま何が焦点か:決まっていないのは“中身”より“段取り”かもしれない
今回のニュースで目を引くのは、当事者が「対話の意思」を口にしながら、会場・形式といった段取りが最後まで固まっていない点です。加えて、現場で起きる軍事的摩擦や、同盟・友好関係にある国々からの圧力が、交渉の余白を狭めています。
数日内に予定される協議が、具体的な合意の糸口になるのか。それとも、まずは相互不信を抑え込み「次の会合」を設定する段階にとどまるのか。会場決定のニュースと合わせて、当事者の発信のトーンや、現場の緊張が抑制されるかどうかが、当面の見どころになりそうです。
Reference(s):
Undecided venue, renewed frictions cloud U.S.-Iran nuclear talks
cgtn.com








