新START失効、国連事務総長「重大な瞬間」 米ロに新枠組み交渉を要請
米国とロシアの戦略核戦力に「拘束力ある上限」を設けてきた新戦略兵器削減条約(New START)が、2月4日深夜(現地時間)に期限切れとなりました。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は同日、国際平和と安全保障にとって「重大な瞬間」だとして、両国に新たな核軍備管理の枠組みを遅滞なく交渉するよう求めました。
何が起きたのか:New STARTが失効
グテーレス事務総長によると、New STARTは米国とロシアが配備できる戦略核弾頭の数、そしてそれを運搬するための地上配備・潜水艦配備のミサイルや爆撃機の配備に上限を設けてきました。しかし、その条約が期限を迎え、失効した形です。
国連が示した危機感:「半世紀超で初めて」拘束力ある上限がない世界へ
事務総長は声明で、米国とロシアが世界の核兵器備蓄の「圧倒的多数」を保有しているとした上で、次のように警鐘を鳴らしました。
- 「半世紀以上で初めて」、米国とロシアの戦略核兵器に拘束力ある上限がない世界に直面している
- 軍備管理で積み上げてきた「数十年の成果」が失われることは、最悪のタイミングで起きかねない
- 核兵器が使用されるリスクは「数十年で最も高い」
軍備管理の枠組みは、保有そのものの是非だけでなく、「誤算」や「疑心暗鬼」を抑える安全弁として機能してきた面があります。上限が消えることは、相手の意図や増強のペースを読み違える余地を広げかねません。
一方で「リセットの機会」:変化する環境に合った制度へ
ただ、事務総長は危機感だけを強調したわけではありません。急速に変化する状況に適合した軍備管理体制を「リセットして作り直す機会」だとも述べています。また、米国とロシアの指導者が、無制限の核拡散へ戻ることを防ぐ必要性を認識している点を歓迎しました。
今後の焦点:次の枠組みで問われる「検証可能な上限」とリスク低減
事務総長は「世界はいま、両国が言葉を行動に移すことを期待している」とし、交渉の席に「遅滞なく」戻るよう要請しました。後継枠組みに求めた要素は、主に次の3点です。
- 検証可能な上限の回復(口約束ではなく、守られていることが確認できる仕組み)
- リスクの低減(偶発的なエスカレーションを避けるための歯止め)
- 共通の安全保障の強化(相互不信の連鎖を断ち切る設計)
交渉が前進するのか、あるいは空白期間が長引くのか。核軍縮という大きなテーマは、こうした「実務の設計」が現実の安全保障に直結します。次に出てくる言葉が、具体的な交渉日程や枠組みづくりに結びつくのか——そこが当面の最大の注目点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








