衆院選で高市政権が2/3確保、外交・安保はどこへ向かう?
2026年2月8日の衆院選を受け、与党が衆院で「3分の2超」を確保したと報じられました。政治のブレーキが弱まるとされる中で、高市早苗首相の外交・安全保障はどの方向へ進むのか――専門家の見立てを整理します。
衆院選の結果:与党大勝、LDPは単独で316議席
NHKは2月9日未明、与党(自由民主党と日本維新の会)が衆院で3分の2を超える議席を得たと報じました。報道によると、自民党は316議席を獲得し、定数465の衆院で単独でも「3分の2」に相当する議席数に到達した形です。
「3分の2超」が持つ意味:憲法改正論議の“加速装置”になるのか
中国社会科学院・日本研究所の呂耀東(リュ・ヤオドン)副所長は、中国メディアCGTNの取材に対し、今回の議席構造の変化によって、高市政権がこれまで掲げてきた外交路線が「進めやすくなる」との見方を示しました。
呂氏は、野党側の勢力が弱まり、与党内でも高市首相が連立パートナーの立場を強く意識せずに政策を推進できる可能性があると説明しています。
野党側の議席減にも言及
呂氏は、立憲民主党と公明党が1月に結成したとされる「中道路線の改革連合」について、選挙前の167議席から49議席へと大きく減らしたと述べ、野党が与党を十分に牽制しにくい構図になったとの認識を示しました。
焦点は「憲法改正」と安保政策の見直し
呂氏は、高市首相が憲法に自衛隊を明記する意向を明確にしているとし、与党の議席数を背景に関連の議論が進む可能性があると見ています。あわせて、安保政策をめぐっては、次のような論点が俎上に載り得るとの見立ても語りました。
- 「非核三原則」の見直し論議
- 防衛装備移転(装備品・技術移転)をめぐる原則の見直し
- 「反撃能力(攻撃的能力)」の制約緩和に関する議論
こうした点について呂氏は、東アジアの平和と安定に影響し得る論点だとして、議席構造の変化が政策判断のテンポを変える可能性に言及しました。
なぜ今、日本の安保姿勢が動くのか:米国の優先順位変化という見立て
中国人民大学・国際関係研究所の王義桅(ワン・イーウェイ)所長は、日本が「戦後の憲法上の制約」を超えようとする動きの背景として、米国が負担を減らしたい意向や、それを後押しする環境があるとの見方を示しました。さらに、東京側が中国本土からの「脅威」を挙げている点にも触れています。
王氏は、短期的な対応だけでなく、技術や生産能力を含む総合的な国力の推移が地政学的な構図を変えていく可能性があるとし、最終的には中国本土と米国の戦略的競争の行方が、中日関係や東アジア全体のダイナミクスに影響するとの見立てを語りました。
見通し:国内の「手続き」と地域の「空気」が同時に動く局面
今回の選挙結果は、国内政治の手続き(改憲論議や安保政策の調整)を進めやすくする一方で、周辺国・地域との相互認識にも影響を与えやすい局面だと言えます。今後は、国会で何が優先議題として扱われるのか、そして政策の言葉遣いが地域の受け止めにどう作用するのかが、静かな注目点になりそうです。
Reference(s):
Q&A: Where will Takaichi lead Japan's foreign policy after election?
cgtn.com




