UNICEFが警告:スーダンの子どもが直面する「世界最大の人道危機」
スーダンで続く暴力と避難の拡大により、子どもたちの栄養・医療・安全が同時に崩れ、状況が急速に悪化しているとして、国連児童基金(UNICEF)が強い危機感を示しました。
何が起きているのか:支援を要する3370万人、半数が子ども
UNICEFによると、スーダン全土で人道支援を必要とする人は約3370万人にのぼり、その半数は子どもだといいます。長引く混乱のなかで住民の移動が続き、基礎的サービス(医療や衛生など)も「システムとして崩れている」状態が指摘されています。
北ダルフールで「壊滅的」水準の栄養失調
特に深刻なのが栄養状態です。国連支援のIPC(食料安全保障の分析枠組み)モニターの最新データとして、北ダルフールの一部地域では子どもの急性栄養失調が半数超に達しているとされました。
- 北ダルフールのウム・バルー、ケルノイなどで、子どもの「急性栄養失調」が過半数
- 2026年は「重度の消耗症(severe wasting)」に陥る子どもが82万5000人に達する見通し
UNICEFのリカルド・ピレス報道官は、飢えと栄養失調がまず子どもを直撃するとしたうえで、「スーダンでは広がっている。生後6カ月から5歳の子どもたちで、時間が残されていない」と訴えました。
医療の崩壊:施設の7割が機能せず、攻撃も確認
医療体制も大きく損なわれています。紛争の影響で医療施設の70%が機能していないとされ、世界保健機関(WHO)は、戦闘が始まった2023年4月以降、医療施設への攻撃を205件確認したとしています。これにより、死者1924人、負傷者529人が出たと報告されています。
人員や物資不足も重なり、医療支援を必要とする人は人口の約3分の2にあたる約2100万人にのぼるとされています。
避難先で感染症が増加:コレラ、マラリア、デング、はしか
WHOのスーダン代表であるシブル・サハバニ医師は、避難民が密集する滞在地で、コレラ、マラリア、デング熱、はしかなどの流行が増えていると強調しました。安全な水や衛生環境、医療へのアクセスが同時に欠けると、感染症は「止めにくい」リスクになります。
支援を阻む「アクセスの壁」:国境を越える影響も
危機をさらに悪化させている要因として、支援の到達(人道アクセス)が妨げられている点も挙げられています。とくに紛争の激しい地域では、援助物資や医療チームが入れないことが、飢餓や感染症の連鎖を加速させます。
また、近隣の南スーダンのジョンレイ州でも最近の戦闘が支援活動を妨げ、コレラ感染拡大のリスクを高めているとされています。避難と物資不足は国境を越えて影響しやすく、「どこで断ち切るか」が問われます。
「統計ではない」:子ども一人ひとりの時間
UN関係者は、当事者に国際人道法の順守、安全な支援アクセスの確保、敵対行為の停止を繰り返し求めています。ピレス報道官も「目を背けるのをやめてほしい」と呼びかけ、北ダルフールのウム・バルーでは子どもの半数以上が「やせ細っていくのを私たちは見ている」と警告しました。
「それは統計ではない。名前があり、未来がある子どもたちが奪われている」という言葉は、数字の大きさだけでは見えにくい“時間の切迫”を浮かび上がらせます。
Reference(s):
Sudan's children enduring 'world's largest humanitarian crisis'
cgtn.com







