米国がイエメン向けTPS終了へ 約4,000人が退去リスク、60日以内の出国猶予
米国でイエメン出身者を一時的に保護してきた制度「一時的保護資格(TPS)」が終了し、約4,000人が退去(強制送還を含む)のリスクに直面します。2026年2月13日(金)、国土安全保障長官クリスティ・ノーム氏が、トランプ大統領の政権がイエメンに対するTPS指定を打ち切ったと発表しました。
何が起きたのか:TPSの「終了」決定
ノーム長官は、イエメンの国内状況を見直し、関係機関と協議した結果「TPS指定の法的要件を満たさなくなった」と判断したと述べました。さらに、TPSは本来「一時的」な制度であり、イエメン出身のTPS受給者が米国に滞在し続けることは「国益に反する」との認識も示しています。
影響を受けるのは約4,000人:60日間の「自主出国」猶予
イエメン当局者によると、この決定で影響を受けるのは約4,000人です。ノーム長官は、TPS以外に米国に残る法的根拠がない人について、60日以内に自主的に出国するよう求めました。
また、終了決定が発効しTPSの保護が切れた後は、国土安全保障省が、法的地位のないイエメン出身者を拘束し送還する可能性があるとも述べています。
イエメン側の見方:「驚きではない」一方、法的手段に言及
イエメンのムスタファ・アフマド・ノーマン外務・在外同胞担当次官は、この判断は米政権の移民の送還方針を踏まえると「驚きではない」としつつ、影響を受ける人々は、他のアラブ系・非アラブ系コミュニティが行ってきたように、法的な手段を追求し、実施の遅延につなげる道があり得ると述べました。
同次官は、ワシントンのイエメン大使館が、対象者を支援するため連絡や協力を継続しているとも話しています。
そもそもTPSとは:2015年の指定理由と今回の転換
米国がイエメンをTPSに指定したのは2015年9月でした。指定の背景には、継続する武力紛争があり、帰国が当事者の安全に深刻な脅威となり得るという懸念が挙げられていました。
今回の決定は、その前提となっていた「指定要件」を米政府が満たさないと判断したことを意味します。一方で、制度の趣旨(保護の必要性)と、政策としての移民管理(滞在の打ち切り)の間で、どこに線を引くのかという論点も浮かびます。
今後の焦点:発効までの動きと、個々の「滞在根拠」
今後の焦点は大きく2つです。
- 発効までの期間:60日という自主出国猶予の間に、当事者側が法的手段を取るのか、行政側の運用がどうなるのか。
- 個々の法的地位:TPS以外の滞在根拠(別の在留資格など)があるかどうかで、状況が大きく分かれます。
短い時間の中で判断を迫られる人が増える可能性があり、米国内の移民政策をめぐる議論にも影響を与えそうです。
Reference(s):
Yemenis face deportation as U.S. ends temporary protected status
cgtn.com








