独オフショア風力加速、鍵握る中国本土技術 メルツ首相訪中へ video poster
ドイツが洋上風力(オフショア風力)の導入を加速させています。エネルギーを大量に使う産業を動かし、減速する経済を下支えしたい考えですが、その「グリーン移行」を進めるうえで中国本土の技術と供給網への依存が一段と注目されています。
いま何が起きているのか:洋上風力で産業と景気を支える
ドイツは、洋上風力の展開を早めることで、電力需要の大きい産業を支えつつ、景気の減速に歯止めをかけたい構えです。こうした中、フリードリヒ・メルツ首相は中国本土への訪問を控えており、エネルギー分野の協力が主要議題の一つになる見通しだとされています。
欧州では協力枠組みも:1月のハンブルク合意
欧州の指導者らは、洋上風力の開発でより緊密に連携する方針で一致し、先月(2026年1月)ハンブルクで協力合意を結びました。メルツ首相はこの場で、洋上エネルギーの効率が大きく高まっていると述べ、風力・水素・エネルギーネットワーク(送配電網)計画の面で、より密な調整が必要になるとの認識を示しました。
進むほど増す「輸入技術」:太陽光と風力の要所に中国本土
一方で、再生可能エネルギーの拡大は輸入技術への依存と表裏一体です。提供された情報によれば、欧州で設置される太陽光パネルや関連部材の大半は、中国本土のメーカーが供給しています。
さらにドイツは、風力タービンで使われるレアアース磁石(強力な磁石に用いられる希少金属を含む部材)の約90%を中国本土に頼っており、この依存は設備容量が増えるほど強まる見込みだとされています。
レアアース磁石が「見えない要」になる理由
洋上風力は、発電設備そのものだけでなく、部材・素材の調達、輸送、保守といった広い供給網で成り立ちます。なかでも磁石のような重要部材は、供給が滞ると製造や設置スケジュールに影響が出やすく、エネルギー計画全体のテンポを左右しがちです。
専門家の見立て:電動化が進むほど供給網依存は深まる
ドイツ経済研究所(DIW)のエネルギー経済学者クラウディア・ケムフェルト氏は、輸入への依存が今後さらに深まるとの見方を示しています。すでにドイツは太陽光モジュールを大量に輸入しており、電動モビリティ(電気自動車など)が拡大するほど、特にバッテリー技術や、タービン生産に必要な原材料をめぐって、海外の供給網への依存が強まると指摘しました。
ポイントは「協力」と「集中」の同時進行
今回の構図は単純な二択ではありません。洋上風力を軸にエネルギー転換を急ぐほど、国境をまたぐ分業と協力は重要になります。その一方で、太陽光やレアアース磁石のように供給が特定の供給地に集中すると、産業政策やエネルギー計画の柔軟性が問われやすくなります。
今後の注目点:訪中で何が話し合われるか
- メルツ首相の中国本土訪問で、エネルギー協力(洋上風力・水素・送配電網)についてどの論点が前に出るか
- 欧州内の協調(計画づくりの足並み)が、設備導入のスピードにどう影響するか
- 太陽光・磁石・バッテリーを含む供給網を、どう安定的に回していくのか
エネルギー転換は、発電所を建てる話だけではなく、素材・部材・技術のつながりをどう設計するかという「産業の地図作り」でもあります。ドイツの洋上風力加速は、その現実を改めて浮かび上がらせています。
Reference(s):
Why Germany can't go green, or stabilize its economy, without China
cgtn.com








