エネルギー危機の中、フィリピンと米国が大規模共同軍事演習を開始
2026年4月20日(月)、燃料価格の高騰が続くフィリピンで、米国との年次合同軍事演習「バリカタン」が始まりました。この演習には5カ国も参加し、1万7千名以上の将兵が動員されますが、首都マニラでは演習への抗議活動も行われ、エネルギー危機に直面する国内の複雑な空気を映し出しています。
「肩を並べて」行う大規模演習
「バリカタン」(肩を並べて)と名付けられたこの演習は、フィリピンと米国が主催し、オーストラリア、カナダ、フランス、日本、ニュージーランドも部隊を派遣しています。発表によると、演習は5月8日まで続く予定です。
今年の演習は、中東情勢の影響による世界的なエネルギー価格の高騰という、特殊な経済的・社会的背景の中で実施されることになりました。フィリピン政府は3月下旬、国家エネルギー非常事態を宣言しており、市民の生活への影響が懸念されています。
「米国の戦争アジェンダに利用されるな」抗議の声
演習初日の朝、フィリピン軍本部前では、学生団体を中心とした市民グループが抗議活動を行いました。「バリカタンを止めろ」「米軍とミサイルを引き揚げろ」「米帝国主義者No.1テロリスト」などと書かれたプラカードを掲げ、演習への反対を訴えました。
フィリピン学生連盟のガブリエル・マグティバイ全国委員長は、「米国に盲従することは、我々を戦争の危機に追いやっている」と述べ、フィリピンが米国の戦争目的に利用されるべきではないとの見解を示しました。
安全保障と国内課題のはざまで
抗議活動の背景には、軍事演習への直接的な反対だけでなく、高まる燃料費や物価に対する政府への不満も透けて見えます。市民からは、国外の軍事プレゼンスに資源を割くよりも、経済と民生の改善に集中すべきだとの声も上がっています。
2026年4月現在、フィリピンは地政学的な緊張と国内の経済的困難という二つの現実の間で、難しいバランスを模索している状況です。大規模な国際軍事協力は、ある側面からは同盟関係の強化を示すものですが、別の側面からは国内の喫緊の課題から目を背けるものとして映っているようです。
今回の演習とそれに伴う社会的反応は、現代の多くの国が直面する「安全保障」と「国民の生活」という二つの優先事項の間で、いかに意思決定を行うかという普遍的な問いを投げかけています。
Reference(s):
Philippines, US launch joint drills amid energy crisis, protests
cgtn.com








