南アフリカ、一滴の血液で30分で結果が出る結核検査デバイスを開発
結核(TB)は今も世界で最も致死率の高い感染症の一つです。2024年には世界で120万人以上が命を落とし、早期診断が治療と感染拡大防止の鍵となっています。従来の検査方法には時間がかかり、医療現場の負担も大きいという課題がありました。
従来の検査の課題と革新
現在、結核の診断には患者が痰(たん)のサンプルを提出し、それを実験室に送って処理する必要があります。このプロセスには数日から数週間を要し、特に医療資源が限られた地域では診断の遅れが大きな問題となっていました。
プレトリア大学の研究チームは、この課題を解決する新たな携帯型ツール「MARTI(マイコレート抗体リアルタイムイムノアッセイ)」を開発しました。このデバイスは、わずか一滴の血液を用い、約30分で結果を得ることができます。患者が一度の来院で検査から結果までの流れを完結できる点が大きな特徴です。
新デバイスの仕組みと利点
MARTIは、血液中にある特定の抗体を検出することで、活動性の結核感染症を免疫系が戦っていることを示します。研究開発を主導するMARTI TB 診断のカール・バウマイスター氏は、その利点を次のように説明しています。
- 感染リスクの低減: 痰の採取では感染性の粒子が空気中に拡散するリスクがあり、他の患者や医療従事者への感染の危険性がありました。血液検査ではこのリスクを大幅に減らせます。
- 迅速な結果: 実験室への輸送や複雑な処理が不要なため、診断までの時間を劇的に短縮します。
- アクセスの向上: 携帯型で実験室設備を必要としないため、診療所や遠隔地、刑務所、鉱山といった高リスク地域でも手軽に使用できます。
専門家が語る潜在的な影響
MARTI TB 診断の主任科学顧問であり、プレトリア大学の名誉教授でもあるヤン・フェルスホール教授は、このデバイスが結核対策にもたらす可能性について言及しています。「結核で亡くなる方の20%は、生きている間に診断さえ受けられていない状況です。このような未診断のケースを減らすことが急務です」。教授は、このツールが高負担地域でのターゲットを絞ったスクリーニングを支援し、早期発見と治療開始を促進できると期待を寄せています。
結核は健康危機であるだけでなく、生産性の損失や家計への打撃など、何十億ドルにも及ぶ経済的損失をもたらしています。迅速かつ正確な診断技術の革新は、この疾病の封じ込めに向けた重要な一歩となるかもしれません。
Reference(s):
South Africa team develops handheld tool to boost TB detection
cgtn.com







