クレーンを使わず「空気」で持ち上げる。中国本土・海南省で821トンのLNGタンクドームを設置 video poster
中国本土の海南省で、LNG(液化天然ガス)貯蔵タンクの巨大なドームが成功裏に設置されました。注目すべきは、数百トンの重量物を持ち上げるためにクレーンではなく「空気の力」を活用した点です。
15階建ての高さまで「空気圧」で昇降させる
今回設置されたドームの重量は821トン。エンジニアたちは、クレーンによる吊り上げではなく、制御された空気の流れを利用して構造物を押し上げる「ニューマチック・リフティング(空気圧昇降)」という工法を採用しました。
- 昇降距離:約43メートル(おおよそ15階建てのビルに相当)
- 手法:精密に制御された空気圧を用いて、巨大なドームをゆっくりと垂直に上昇させる
この工法により、極めて重量のある構造物であっても、高い精度で正確な位置に設置することが可能になります。
エネルギー供給の安定化へ:海南LNG第2期拡張プロジェクト
このタンクは「海南LNG第2期拡張プロジェクト」の一環として建設されました。このプロジェクトの完了により、施設の「ピークシェービング能力」が2倍に向上します。
ピークシェービングとは、エネルギー需要が急増する時期に備えて貯蔵量を調整し、供給を安定させる仕組みのことです。今回の拡張で4億立方メートルの貯蔵容量が追加され、地域のエネルギー安全保障がより強固なものとなります。
巨大な構造物を静かに、そして正確に持ち上げる技術の適用は、インフラ建設における効率性と安全性の追求を象徴しています。こうしたエンジニアリングの進化が、日々のエネルギー供給という目に見えない基盤を支えています。
Reference(s):
cgtn.com