中国本土で初の国産飛行船パイロットが誕生、商用運航への道が開ける
中国本土で初めて、独自に育成された飛行船パイロットが商用ライセンスを取得しました。これは、同国が自前で飛行船の運航クルーを育成できる体制を整えたことを意味し、次世代の航空輸送の実現に向けた重要な転換点となります。
国産飛行船の運航を担う「第一号」の誕生
中国航空工業集団(AVIC)の発表によると、中国民用航空局から商用パイロットライセンスを授与されたのは4名のパイロットです。彼らは顧客企業および飛行船の開発担当者から選出され、規制当局が承認した包括的なトレーニングプログラムを完了しました。
訓練の内容は多岐にわたり、以下のようなステップでスキルを習得しています。
- 座学による理論学習
- シミュレーターを用いた仮想訓練
- 実際の飛行訓練(実機による訓練)
特に実機訓練では、国産の有人飛行船「祥雲 AS700」に乗り込み、400回を超える離着陸を経験した末に最終試験に合格したといいます。
注目の機体「祥雲 AS700」と市場の需要
今回パイロットが訓練に使用した「祥雲 AS700」は、中国本土で初めて型式証明と生産許可の両方を取得した有人飛行船です。その実用性と可能性が高く評価されており、すでに44機の受注を受けているとのことです。
飛行船の運航には1機につき2〜3名のパイロットが必要となるため、現在の受注分だけでも約100名の資格保有者が求められます。機体の普及が進むにつれ、人材不足が大きな課題となっていました。
「低空経済」の拡大と今後の展望
背景にあるのは、近年注目を集めている「低空経済(low-altitude economy)」の拡大です。これは、ドローンやeVTOL(電動垂直離着陸機)、そして飛行船などの低空域を利用した経済活動を促進する取り組みを指します。
AVICはこの需要に応えるため、以下のような計画を打ち出しています。
- 中国本土初となる飛行船専門の飛行学校を設立する
- 標準化されたトレーニングプラットフォームを構築する
- パイロットおよびインストラクターの育成プログラムを規模拡大する
空の旅に新しい選択肢を加える飛行船の商用化。単なる輸送手段の追加にとどまらず、都市の物流や観光のあり方をどう変えていくのか、今後の展開が注目されます。
Reference(s):
China certifies first homegrown airship pilots for commercial use
cgtn.com