クルーズ船でハンタウイルス感染拡大、新たな陽性者が判明:世界各国で厳格な帰国対応へ
クルーズ船という閉鎖的な空間で発生した感染症は、国境を越えて瞬時に広がるリスクを孕んでいます。現在、ハンタウイルスの集団感染に見舞われた巡航船「MVホンディウス」の乗客を巡り、世界各国が緊張感を持って帰国と隔離措置を進めています。
新たな陽性者の確認と深刻化する状況
現地時間月曜日、フランス人とアメリカ人の乗客3名が、ハンタウイルスの陽性反応を示したか、あるいは特有の症状を呈していることが明らかになりました。
- フランス人女性: パリへ帰国後、飛行機内で症状を発現。入院して治療を受けていますが、容体が悪化しているとフランスのステファニー・リスト保健相が発表しました。
- アメリカ人乗客: ネブラスカ州へ搬送された17名のうち、1名が陽性(現在は無症状)、もう1名に軽度の症状が見られることが判明しました。
厳重な検疫と隔離プロセス
感染拡大を防ぐため、カナリア諸島のテネリフェ島に停泊した船からは、防護服と呼吸用マスクを着用した職員が乗客を誘導するという、極めて厳格な体制で下船が行われました。
特にアメリカでは、連邦政府の資金提供を受けた高度な隔離施設を持つネブラスカ大学医療センターが対応にあたっています。陽性者が運ばれた「バイオコンテインメント・ユニット(生物学的封じ込め施設)」は、かつてエボラ出血熱や新型コロナウイルス(COVID-19)の患者の治療に使用された特殊ユニットであり、感染リスクを最小限に抑えるための措置が取られています。
世界20カ国以上に及ぶ影響と今後の懸念
今回の事案では、20カ国以上の国籍を持つ乗客が軍用機や政府専用機で順次帰国しています。世界保健機関(WHO)は元乗客への密接なモニタリングを推奨しており、多くの国が強制的な隔離措置を導入しています。
当初、船会社「オーシャンワイド・エクスペディションズ」やスペイン保健省、WHOは、当時の乗客140名以上に症状はないとしていました。しかし、現状では以下の被害が報告されています。
- 死者: アウトブレイク開始以来、3名が死亡
- その他の感染: 船を先に降りていた5名が感染
国境を越えて移動するクルーズ船での感染症発生は、一国の問題ではなく、国際的な公衆衛生ネットワークの連携が不可欠であることを改めて浮き彫りにしています。
Reference(s):
Three more passengers test positive or have symptoms of hantavirus
cgtn.com