イランがUAEを非難:中東情勢に走る新たな亀裂と複雑な外交戦 video poster
中東の緊張が再び高まっています。イランがアラブ首長国連邦(UAE)を「米イスラエルによる対イラン戦の積極的な協力者」として強く非難し、地域の外交関係に新たな火種が生まれました。
イランがUAEの「関与」を主張:BRICS会合での非難
ニューデリーで開催されたBRICS会合において、イランのアッバス・アラクチ外相は、UAEが自国に対する軍事作戦に直接関与していると主張しました。この発言の背景には、イスラエルのネタニヤフ首相が、対イラン戦の最中にUAEの大統領シェイク・モハメド・ビン・ザイード・アル・ナヒヤン氏と「秘密会議」を持ったと述べたことが影響しています。
UAE側はこの主張を否定していますが、アラクチ外相は次のように述べています。
- 「団結のために(会合の)声明の中でUAEの名前は出さなかったが、実際にはUAEは我が国への攻撃に直接関与していた」
- 「攻撃が始まった際、彼らは非難声明すら出さなかった」
- 「イスラエルとの結託は、UAEに安全をもたらさない」
アラクチ外相は、軍事的な解決策は存在しないと強調しつつ、外交的な解決を追求する姿勢を示しながらも、米国とイスラエルによる国際法違反をBRICS諸国に非難するよう呼びかけました。なお、今回の対立の端端にある「イラン戦」は、今年2月28日の米国およびイスラエルによるイランへの攻撃から始まり、その後イランが湾岸諸国の米軍基地などにミサイルやドローンで反撃したことで激化しています。
ホルムズ海峡の不穏な動き
外交的な緊張と並行して、海上の安全保障にも不安が広がっています。英国の海事機関によると、UAE沿岸のホルムズ海峡付近で正体不明の人物によって船舶が拿捕され、現在イランに向かっているとのことです。
一方で、日本のエネオスが管理するパナマ船籍の原油タンカーが、木曜日にホルムズ海峡を無事に通過したことも判明しています。地域の緊張が高まる中で、エネルギー輸送の要所であるこの海域の状況は、世界経済にとっても注視すべきポイントとなっています。
レバノン・イスラエル間の危うい均衡
また、中東のもう一つの火種であるレバノンとイスラエルの関係も極めて不安定な状況にあります。
- 激化する攻撃:レバノン保健省によると、イスラエルによる攻撃の激化により、子供8人を含む22人が死亡しました。特にベイルート南部での空襲が激しくなっています。
- 和平交渉への期待:一方で、ワシントンでレバノンとイスラエルの新たな和平会談が木曜日に始まる予定です。現在の停戦合意は、イスラエル側の攻撃による多数の死者が出ているにもかかわらず、形式上は維持されているものの、その期限が迫っています。
- 新たな衝突:イスラエル軍は、ヒズボラが発射した爆発ドローンがイスラエル領内に落下し、複数の民間人が負傷したと発表しました。
外交的な非難、海上の拿捕、そして絶え間ない軍事衝突。中東では、対話のテーブルが設けられる一方で、現場では緊張がエスカレートし続けるという、極めて矛盾した状況が続いています。
Reference(s):
Iran accuses UAE of 'active role' as Lebanon-Israel talks due
cgtn.com