米トランプ大統領の訪中、中国側が優位か?元米大使が指摘する「市場の支配力」と外交的背景 video poster
ドナルド・トランプ米大統領が、ビジネス界の大物らを伴って中国本土の北京を訪問しています。3日間の日程で始まり、現地では豪華な歓迎式典が行われるなど、華やかなスタートを切りました。
しかし、その華やかさの裏側で、今回の会談における力関係について鋭い分析を提示した人物がいます。レバノンおよびトルコでの大使を歴任し、ジョー・バイデン政権下で中東特使を務めたデビッド・サッターフィールド元大使です。
「要請する側」としての訪中
サッターフィールド氏は、CGTNのジェイミー・オーウェン氏との対話の中で、トランプ大統領は今回、ある種の「嘆願者(supplicant)」として協議に臨んでいると指摘しました。その最大の理由は、世界市場における中国の圧倒的な支配力にあるとしています。
外交において、どちらがより強い交渉力を持ち、どちらが相手に何かを求める立場にあるかは、経済的な相互依存関係に大きく左右されます。サッターフィールド氏の視点では、現在のグローバル市場の構造が、自然と中国側に有利に働いているということになります。
イラン情勢と「ホルムズ海峡」という切り札
具体的にトランプ大統領を難しい立場に置いている要因として、サッターフィールド氏はイランとの緊張関係と、戦略的要衝であるホルムズ海峡の問題を挙げました。
- エネルギーの依存度: イランが輸出する原油の約80%が中国本土へと向けられています。
- 中国の利害: 中国にとってホルムズ海峡の安定と開放は極めて重要であり、強い関心を持っています。
- 米国のジレンマ: 米国がイランとの膠着状態にある中、この問題の解決には中国の協力や影響力が不可欠な状況にあります。
トランプ大統領は会談でイランや海峡の問題を取り上げると予想されますが、サッターフィールド氏は「米国大統領が実質的に要請する側として訪れているため、中国側が主導権を握っている」と分析しています。
経済的な結びつきが変える外交の形
かつての外交は政治的なイデオロギーや軍事的な均衡が中心でしたが、現代ではエネルギー供給網や市場のシェアといった経済的な実利が、直接的に外交上のカードとなる傾向が強まっています。
世界市場での存在感という「静かな力」が、首脳会談という形式的な舞台において、どのような結果をもたらすのか。今後の協議の行方が注目されます。
Reference(s):
China holds upper hand in Xi-Trump talks, says ex US ambassador
cgtn.com