イランのブシェール原発2号機、建設を再開 ―― ロシア企業が支援を再始動
中東情勢が緊迫し続けるなか、イラン唯一の稼働原子力発電所であるブシェール原発の拡張計画が再び動き出しました。この動きは、エネルギー確保という実利と、複雑な地政学的リスクが交錯する現状を象徴しています。
建設工事の再開とリモート支援
ロシアの国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)のアレクセイ・リハチョフCEOは、ブシェール原子力発電所2号機のコンクリート打ち込みおよび補強工事が再開されたことを明らかにしました。
今回の再開にあたっては、以下のような体制がとられています。
- 現場での協力:現地に留まっていた専門家が、契約義務の一環として請負業者との積極的な連携を開始。
- 遠隔サポート:建設オペレーションに対する技術的・コンサルティング的な支援を、リモート形式で展開。
背景にある軍事的緊張と影響
工事が一時的に中断していた背景には、この年3月に発生した軍事的な攻撃がありました。3月17日にブシェール原発エリアが初めて攻撃を受けた後、24日夜にもイスラエルと米国による攻撃が行われました。
これらの事態を受け、ロシア側は数回にわたる人員の避難を実施していました。イラン原子力機構は「施設に被害はなかった」としていますが、現場の安全確保が最優先課題となった形です。
今後の人員復帰と平和利用の主張
ロスアトム社は人員増強に向けた計画の策定に着手していますが、完全な復帰には慎重な姿勢を見せています。リハチョフCEOは、「軍事的な状況を考慮しなければならない。状況が明確になるまで、人員を完全に復帰させる決定を下す権利はない」と述べており、地域の治安状況が依然として不透明であることを示唆しています。
ロシア側は、テヘラン(イラン当局)が原子力エネルギーを平和的な目的で利用する権利を支持しています。一方のイラン側も、核兵器の開発を否定し続けています。エネルギー自給率の向上を目指すイランにとって、この発電所の完工は重要な意味を持ちますが、同時に国際的な監視と緊張の焦点であり続けています。
Reference(s):
cgtn.com