コンゴ民主共和国でエボラ出血熱が拡大、ルワンダが国境を封鎖。ワクチンない変異株に警戒
コンゴ民主共和国(DRC)でエボラ出血熱の感染が拡大し、隣国ルワンダが国境を封鎖するという異例の事態に発展しています。世界保健機関(WHO)が国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言するなか、地域社会に緊張が走っています。
主要都市ゴマへの感染拡大と国境封鎖
ルワンダ政府は5月17日(日)、コンゴ民主共和国との主要な国境検問所を閉鎖しました。今回の措置は、人口100万人を超える大都市ゴマでエボラ出血熱の症例が確認されたことを受けたものです。ゴマは現在、反政府勢力M23が実効支配している地域であり、人口密集地での感染拡大への懸念が強まっています。
ルワンダ西部のルバヴ地区のプロスペル・ムリンダ市長は、ウイルスの拡散を防ぐため、国境封鎖を無期限に継続すると発表しました。外交筋によると、現在は自国民の帰還者のみが通行を許可されており、それ以外の移動は全面的に停止されています。
「ワクチンがない」変異株の脅威
今回の流行が特に深刻視されているのは、そのウイルスの種類にあります。アフリカ疾病対策センター(Africa CDC)によると、今回の流行は「ブンディブギョ株」と呼ばれる変異株によるもので、この株に特化したワクチンが現在存在しません。
現在の被害状況と特徴は以下の通りです:
- 感染状況: これまでに336人の感染者が確認され、87人が死亡。
- 流行の経緯: DRC東部で発生し、1976年以来17回目となる国内流行となった。
- 感染ルート: ゴマで確認された患者は、別の流行地であるブニアで亡くなった男性の妻であり、感染した状態でゴマへ移動したことが判明している。
周辺国への波及とWHOの懸念
感染の波は国境を越え、ウガンダにも及んでいます。5月15日と16日には、DRCから渡航した人物による感染例がカンパラで2件報告され、患者は集中治療室(ICU)に搬送されました。
WHOは、人口移動や貿易、旅行などの密接なつながりがあるため、DRCの周辺国は依然として高い感染リスクにさらされていると警告しています。一方で、WHOは各国に対し、国境封鎖や貿易制限などの措置は避けるべきだとの指針を示していますが、ルワンダのように実効的な封鎖に踏み切る国が出ており、公衆衛生上の対策と経済・外交的影響の間で葛藤が生じています。
紛争地域という不安定な状況下での感染症対策は極めて困難であり、ワクチンの不在という課題が、地域全体の不安をさらに深める形となっています。
Reference(s):
DR Congo Ebola outbreak spreads to Goma, Rwanda closing down border
cgtn.com