ウガンダで「主権保護法」が成立。外国の影響力制限と経済的リスクの狭間で
ウガンダで、外国による影響力を制限することを目的とした「主権保護法」にヨウェリ・ムセベニ大統領が署名し、成立しました。国家の主権を守るという政府の狙いがある一方で、この法律がもたらす政治的・経済的な影響について、国内外から懸念の声が上がっています。
「主権保護法」の内容と厳しい罰則
この法律の核心は、外国の利益を優先してウガンダの国益に反する活動をすることを犯罪化することにあります。具体的には、以下のような制限が設けられています。
- 外国利益の推進禁止: ウガンダの利益に反して、外国の利益を促進する行為を禁じる。
- 政策立案への関与制限: 外国の利益を代表して活動する人物が、政府の承認なしに政策の策定や実施に関わることを禁止する。
これらの規定に違反した場合、最大で10年の禁錮刑や高額な罰金が科せられるという、非常に厳しい罰則が設けられています。
議論の末に修正された「エージェント登録」
法案の審議過程では、一部の条項が修正されました。当初の案では、外国から資金援助を受けるすべての者が「外国エージェント」として登録することを義務付けていましたが、最終的なバージョンでは、この義務は「外国の利益を促進するための政治活動」に従事して資金を受け取る人物にのみ限定されました。
しかし、人権団体はこの修正後も不安を隠していません。法律の文言が広範で曖昧であるため、政府がこの法律を恣意的に運用し、正当な政治的反対派を弾圧するために利用する可能性があると警告しています。これに対し、政府側は「批判は誇張である」として、これらの懸念を否定しています。
経済への打撃を危惧する金融機関の声
政治的な側面だけでなく、経済的なリスクを指摘する声も根強くあります。ウガンダにとって重要な外貨獲得源である海外からの送金や開発援助が、この法律によって抑制されることが危惧されました。
特に、以下の機関や人物が強い懸念を示していました。
- ウガンダ中央銀行: マイケル・アティンギ=エゴ総裁は、資金流入の減少が外貨準備を弱め、「経済的災害」を招く可能性があると警告しました。
- 世界銀行: 初期の草案の段階で、日常的な開発活動までもが刑事責任にさらされるリスクがあることを指摘していました。
長期政権と「外部への警戒心」
1986年から長期にわたって政権を維持しているムセベニ大統領は、かねてより外国勢力がウガンダの政治に干渉し、国内の政敵を支援していると主張してきました。今回の法整備は、そうした強い警戒感の表れと言えます。
国家の自律性を高めるための「主権保護」か、あるいは外部からのチェック機能を弱めるための「壁」となるのか。国際社会との協調と国内統制のバランスという、多くの国が直面する難しい課題が、現在のウガンダで浮き彫りになっています。
Reference(s):
Uganda's president signs law aimed at curbing foreign influence
cgtn.com
