米イラン交渉が正念場に:合意への期待と、トランプ大統領が示唆する「新たな攻撃」の緊張感
米国とイランの間で、戦争終結に向けた交渉が急速に加速しています。パキスタンが仲介役となり、和平合意への道筋が見えつつある一方で、トランプ大統領が合意に至らなかった場合の「新たな軍事攻撃」を真剣に検討しているとの報道もあり、外交的な駆け引きは極めて緊迫した局面を迎えています。
「苦悶」とも評される交渉の現状
米政府高官によると、トランプ大統領は今週金曜日の朝、国家安全保障チームとの会合を開き、今後の選択肢について協議しました。この会合にはJD・バンス副大統領やピート・ヘグセス国防長官、ジョン・ラトクリフCIA局長ら主要メンバーが出席しています。
交渉の進捗について、ある当局者は「苦悶(agonizing)」という言葉で表現しています。日々、草案のやり取りは行われているものの、実質的な進展が得られないもどかしい状況が続いており、最後の一押しがなければ軍事的な手段に踏み切る準備があることが示唆されています。
和平への鍵となる「イスラマバード宣言」の内容
現在、パキスタンの仲介により、「イスラマバード宣言」と呼ばれる単一ページの合意文書が検討されています。報道によると、この潜在的な和平案には以下の9つの条項が含まれる見通しです。
- 即時かつ包括的で、無条件の停戦
- 軍事・民間・経済インフラへの攻撃禁止の保証
- メディア戦(情報戦)の終結
- ペルシャ湾、ホルムズ海峡、オマーン湾における航行の自由の確保
- 共同監視および紛争解決メカニズムの設置
- 未解決問題に関する交渉の7日以内の開始
- イラン側の遵守を条件とした、米国の制裁の段階的な解除
- 国連憲章へのコミットメント
- 双方の公式発表後、即時発効
外交の舞台裏:パキスタンの役割とイランの視点
パキスタンのサイエド・アシム・ムニール陸軍参謀総長が金曜日にテヘランを訪問し、米イラン間の交渉を促進させるための協議を行いました。これに対し、イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は、この訪問を「外交的な関与の一環」としつつも、直ちに最終合意に近づいたわけではないと慎重な姿勢を見せています。
イラン側が現在最優先しているのは、核問題よりもまず「戦争の終結」です。具体的には、あらゆる戦線での敵対行為の停止やホルムズ海峡の安定化を求めています。一方で、核エネルギーの平和利用については、核不拡散条約(NPT)加盟国としての権利を改めて強調しています。
残された課題と今後の展望
今回の対立は、2月28日の米イスラエルによる攻撃に端を発し、4月8日に一度停戦に至った経緯があります。しかし、その後の交渉は難航し、特にイランのウラン濃縮プログラムが最大の争点となっています。
ホルムズ海峡における機雷敷設の証拠は見つかっておらず、軍事的な緊張が一定のコントロール下にある中で、外交的な解決策を模索する時間的猶予は限られています。「慎重な楽観論」と「軍事的圧力」という対極的なアプローチが同時に進行する中、世界は次なる展開を注視しています。
Reference(s):
cgtn.com