アフガニスタンの新離婚法に国連が「深刻な懸念」:女性の権利と児童婚への影響
アフガニスタンでタリバン政権が今月発表した新しい離婚法をめぐり、国際社会に波紋が広がっています。国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)は、この法律が女性の尊厳と安全を脅かすものであるとして、強い懸念を表明しました。
離婚手続きにおける「権利の格差」
今回発表された「配偶者の司法的分離に関する法典」において、最も問題視されている点の一つが、男女間にある離婚手続きの著しい格差です。
- 男性の場合:一方的に離婚を決定できる権利が認められています。
- 女性の場合:離婚を認めてもらうために、複雑な調停プロセスを経る必要があります。
UNAMAは、このような仕組みが構造的な差別を強化し、女性が自らの人生を決定する自律性を制限するものだと指摘しています。
児童婚の容認と「沈黙による同意」
さらに、人権団体や国連が危惧しているのが、子どもへの影響です。法典の第5条には、「思春期に達した未成年者は結婚を解消する選択肢を持つ」という趣旨の記述があります。これは裏を返せば、思春期前後の子どもによる結婚(児童婚)を事実上認めていることを意味します。
また、結婚への同意についても、以下のような不均衡な基準が設けられています。
- 女性および男子:明確な「口頭での同意」が必要。
- 女子:「沈黙」をもって同意したとみなされる。
こうした規定は、自由で十分な意思決定という基本原則を損ない、子どもの最善の利益を守る仕組みになっていないと批判されています。
タリバン側の主張と今後の視点
こうした批判に対し、タリバン政権の報道官は異なる見解を示しています。彼らは、強制結婚を禁止する別の命令を別途出しており、過去1年間に裁判所で数千件の強制結婚ケースに対処したと主張しています。
権利の保護を謳う政権側の説明と、法典に記された制度的な制約。この乖離が、アフガニスタンで暮らす人々の、特に女性や子どもたちの日常にどのような影響を与えるのか。国際社会による静かな、しかし注視が必要な局面が続いています。
Reference(s):
cgtn.com