中国本土とチリ、アタカマ海溝で共同深海調査へ 探査船が出港 video poster
2026年1月下旬、中国本土とチリが共同で、東部太平洋の「アタカマ海溝」を対象にした深海研究ミッションを始動させました。チリのバルパライソから、中国本土の深海調査船「探索一号(Tan Suo Yi Hao/Discovery One)」が今週出港し、有人深海潜水艇「奮闘者(Fendouzhe/Striver)」を搭載して本格的な探査に向かいます。
何を調べる? 8,000m級の“長い海溝”に焦点
今回の調査対象は、水深約8,000メートルに達するアタカマ海溝です。発表によると、ここは世界で最も長い海底海溝とされ、これまで詳細な調査が限られてきた「未踏に近い領域」と位置づけられています。
ミッションの主眼は、深海における生命の多様性(生物多様性)と、化学合成生態系(太陽光ではなく化学反応をエネルギー源として成り立つ生態系)の解明です。
鍵を握る装備:1万m超に潜れる「奮闘者」
探査船に積まれる「奮闘者」は、10,000メートルを超える深度まで潜航できる有人深海潜水艇とされています。アタカマ海溝のような極限環境で、現場に直接アクセスできることは、観測データの質と量を左右します。
今回の共同ミッションで想定される主なポイント
- 深海生物の観測:高水圧・低温環境で生きる生物の分布や特徴を調べる
- 化学合成生態系の調査:深海特有のエネルギー循環の手がかりを探る
- “ほとんど調べられていない海溝”の基礎情報:環境データや生態系の輪郭を積み上げる
「化学合成生態系」が注目される理由
深海では太陽光が届かない一方、化学反応を起点にした生態系が成立するとされます。こうした仕組みは、地球上の生命理解を広げるだけでなく、極限環境での生命のあり方を考える上でも重要なテーマです。今回のように“希少な現場”に潜航できる調査は、断片的だった知見をつなぐ役割を担います。
今後の見どころ:どんな成果が共有されるか
出港が報じられた段階で、具体的な潜航回数や採取計画などの詳細は示されていません。ただ、ミッションの目的が「生物多様性」と「化学合成生態系」に置かれている以上、今後は観測結果やサンプル分析など、段階的な情報共有が焦点になりそうです。
深海は研究コストも高く、到達そのものが難しい領域です。中国本土とチリの共同調査が、アタカマ海溝という“長く深いフィールド”の理解をどこまで進めるのか。2026年の国際科学協力の動きとしても注目が集まります。
Reference(s):
China, Chile launch joint research mission to Atacama Trench
cgtn.com








