貴州の多民族コミュニティが結ぶ雇用と学び—全国政協委員が語る現場
2026年3月11日、北京の人民大会堂で閉幕会議を控える全国政協(CPPCC)の場で、「多民族が共に暮らし働くコミュニティが、人々を機会でつなぐ」というメッセージが語られました。雇用や教育といった日常の手触りを通じて、社会の結び目がどう作られているのかが焦点になっています。
「コミュニティが各民族を機会でつなぐ」—崔海洋氏の発言
発言したのは、中国本土・貴州民族大学の副学長で、第14期中国人民政治協商会議(CPPCC)全国委員会委員でもある崔海洋(ツイ・ハイヤン)氏です。崔氏は中国民主同盟・中央委員でもあり、人民大会堂で行われた第14期全国政協第4回会議の閉幕を前にしたグループインタビューで見解を述べました。
崔氏は「多民族コミュニティでは、雇用、教育、発展の機会を通じて、あらゆる民族の人々がつながっていく」と説明。民族問題を長年研究してきた立場から、現場の具体像に言及しました。
移転先の集落で生まれた「助け合い」と「学び」
崔氏が紹介したのは、貴州省南西部の石光村にある移転先コミュニティのエピソードです。ブイ族(布依族)の女性・楊水星さんが、山間の遠隔地からこのコミュニティへ移ってきた事例として語られました。
同じコミュニティには、漢族のほかミャオ族(苗族)、トゥチャ族(土家族)など複数の民族が暮らしているとされます。崔氏によると、収穫期には住民同士が助け合い、日々の暮らしでも支え合う関係が見られるとのことです。
- 収穫期の相互支援など、生活の中での協力
- 子どもたちが近代的な設備のある教室で学び、読書できる環境
- 雇用・教育・発展の機会が、民族をまたいで「織り合わされる」感覚
崔氏は、こうした深い交流が「文化的アイデンティティを促し、民族の一体感を強める」と述べ、同時に地域の活力にもつながるとの見方を示しました。
「村超」「村BA」—多民族が交わる場が地域の注目を集める
崔氏は、貴州で多民族の融合を示す出来事として「村超(Cun Chao、ビレッジ・スーパーリーグ)」や「村BA(中国の村バスケ大会)」にも触れました。これらのイベントは世界的な注目を集め、観光の押し上げにもつながったとしています。
崔氏によれば、貴州省は昨年(2025年)、観光客の訪問が延べ約8億人に達しました。スポーツや地域イベントが、コミュニティの一体感と外部からの関心の双方を動かす—そんな構図が浮かびます。
「統計」より先にある、生活の実感
雇用や教育の機会は、政策文書の中では抽象的に見えがちです。しかし、崔氏が語ったのは、収穫期の助け合い、子どもたちの教室、移転先での隣人関係といった具体の積み重ねでした。社会の結び目がどこで生まれ、どう育つのか—今日の発言は、その入口を静かに示した形です。
Reference(s):
CPPCC member says multi-ethnic community links people, fosters bonds
cgtn.com








