中東情勢の緊張でイランから帰還するアフガンの子ども支援が急務—UNICEF
中東での紛争激化が国境を越えて影響し、イランからアフガニスタンへ戻る家族の流入が増える中、子どもたちの安全と生活を支える緊急支援が必要だ—国連児童基金(UNICEF)が2026年3月11日(水)に警鐘を鳴らしました。
何が起きているのか:イランからの帰還が「いま」増えている
UNICEFによると、アフガニスタン西部ヘラート州の国境検問所「イスラム・カラ(Islam Qala)」など複数の入国地点に、イランから戻るアフガンの家族が到着しています。多くの家族は、予期しない移動を強いられた後のように見え、疲労と将来への不安を抱えた様子だといいます。
UNICEFアフガニスタン代表のタジュディーン・オイェワレ氏は、受け入れセンターに到着する母親と子どもたちの状況について、次のように述べました。
"私たちはすでに、子どもを連れた母親が受け入れセンターにあまりに多く到着しているのを目にしています。疲れ切り、圧倒され、直ちに支援を必要としています。到着が想定通り増えれば、子どもが直面するリスクはさらに高まるでしょう"
背景:中東の衝突が、別の国境でも「子どものリスク」になる
UNICEFは「中東での紛争激化が、国境を越えて子どもたちに即時のリスクを生んでいる」と指摘します。今回のポイントは、紛争の当事地域だけでなく、移動を余儀なくされる家族が増えることで、受け入れ側の現場(国境、受け入れセンター、地域の支援体制)にも負荷が集中しやすい点です。
長距離移動の後に到着する子どもは、栄養状態の悪化や体調不良、衛生環境の不足など、複合的な危機にさらされやすいとされます。UNICEFは、到着者の増加が見込まれる場合、そうしたリスクが連鎖的に拡大しうると見ています。
数字で見る帰還:2025年だけで約300万人、6割が子どものいる家族
UNICEFの報告では、2025年だけで約300万人のアフガンが近隣国からアフガニスタンへ戻り、その主な出発地はイランとパキスタンでした。さらに、帰還者の約60%は子どものいる家族だったとされています。
この規模の帰還は、もともと負荷のかかっている地域の資源や支援体制を一段と逼迫させます。受け入れセンターや周辺コミュニティで、必要な支援が行き渡るかどうかが大きな焦点になります。
UNICEFが求める支援:まずは「生きのびる」ための基盤
UNICEFは、増大するニーズに対応するため支援の強化を呼びかけています。具体的には、子どもと家族に対する以下の分野が挙げられました。
- 栄養(必要な栄養支援)
- 保健・医療(基礎的な医療へのアクセス)
- 水・衛生・衛生習慣(WASH)(安全な水、衛生設備、衛生用品など)
国境到着直後の段階では、こうした「最低限の生活基盤」の有無が、その後の健康状態や生活再建の難易度を左右しやすいとみられます。
今後の注目点:到着の増加ペースと受け入れ体制の余力
今後は、(1)到着者がどの程度のペースで増えるのか、(2)受け入れセンターや地域の支援体制が需要に追いつくのか、が注目点になります。UNICEFが示すように、到着が増える局面では、疲弊した家族が必要な支援につながるまでの時間が長引きやすく、子どもへの影響が深刻化しがちです。
今回の報告は、紛争の影響が「移動」という形で広がるとき、最初にしわ寄せを受けやすいのが子どもであることを、静かに突きつけています。
Reference(s):
Mideast conflict worsens plight of Afghan children returning from Iran
cgtn.com








