日本の安全保障文書見直し、専門家会合が始動。防衛費増額やAI戦争が焦点に
日本の安全保障政策の基本方針となる文書群の見直し作業が、今年、本格的に動き出しました。高市早苗首相が主導する政府は、国家安全保障戦略など3つの重要文書の改定を加速させるため、専門家による検討会議をスタートさせたのです。この動きは、日本の防衛体制の大きな転換点となる可能性を秘めています。
見直しの背景:10年計画を前倒し
現在の日本の国家安全保障戦略(NSS)と関連2文書は、2022年に策定され、原則として10年間有効とされていました。しかし、高市首相はこの計画を前倒しして改定作業を進めることを決定しました。この決定により、専門家による「安全保障文書の在り方に関する有識者会議」の初会合が、2026年4月下旬に首相官邸で開催されました。
焦点となる主要な論点
会合では、複数の重要なテーマが議論されています。特に注目されるポイントを整理してみましょう。
- 防衛費の増額:2022年の改定では、GDP比2%の防衛費目標が掲げられ、2023年度から5年間で約43兆円の支出が見込まれていました。実際、日本の年間防衛予算は、2023年度に6兆円を突破して以来、7兆円、8兆円、そして2026年度の9兆円へと、急速に膨張を続けています。今回の見直しでは、さらなる支出増の可能性が議論されています。
- AIを活用した「新しい戦争」への対応:高市首相は会合で、人工知能(AI)などの先端技術を活用し、持続的な戦闘行動を可能にする「新しい戦争の形態」に備える必要性を強調しました。
- 「非核三原則」の解釈見直し?:日本メディアの報道によれば、政府は文書改定において、「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という長年の「非核三原則」のうち、「持ち込ませず」の原則の扱いを変更する意図があるとされています。これは、同盟国アメリカとの抑止力の一体化を進める観点からの検討とみられますが、国内からは懸念の声も上がっています。
過去の転換と今後の道筋
2022年の前回改定は、日本の安全保障政策の大きな転換点でした。「専守防衛」を基本とする従来の姿勢から一歩進み、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を明確に打ち出したからです。
今回の専門家会合は今後、月1回ほどのペースで開催され、秋頃をめどに提言をまとめる予定です。それを受け、高市内閣は年内にも改定案を閣議決定したい考えです。日本の安全保障の「かたち」が、2026年中にも新たな段階を迎えようとしています。
防衛力強化の必要性と、それに伴う財政負担や憲法上の原則との緊張関係は、今後も日本社会で真剣な議論が求められるテーマとなるでしょう。
Reference(s):
Japan holds first expert panel meeting on revising security documents
cgtn.com



