Apple、SiriのAI機能巡る集団訴訟で2億5000万ドルの和解に合意
Appleが、音声アシスタント「Siri」のAI(人工知能)機能について、消費者に誤解を与える宣伝を行ったとして提起された集団訴訟において、2億5000万ドル(約380億円)を支払うことで合意しました。AIへの期待が高まる中で、企業のマーケティングと実際の技術実装の乖離が問われた形です。
期待された「AI搭載Siri」と実態の乖離
今回の訴訟では、Appleが2024年後半にiPhoneの販売を促進するため、当時存在しなかった、あるいは実装までに数年を要するAI機能を「あたかも今利用可能であるかのように」宣伝したと主張されていました。
米国の広告監視機関であるBetter Business Bureau(BBB)の国家広告部門も、Appleが新しいAI搭載Siriを「現在利用可能」と示唆したことは虚偽であったとの結論を出しています。Appleは2024年に大規模な広告キャンペーンを展開しましたが、その後、機能の実装に無期限の延期があることを認め、広告を撤回していました。
和解の対象となるデバイスと補償内容
今回の和解は、Apple側が不正を認めたものではありませんが、米国で以下の期間に特定のデバイスを購入した約3600万台のユーザーが対象となります。
- 対象期間:2024年6月10日から2025年3月29日まで
- 対象モデル:iPhone 16、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max
補償額は、1デバイスにつき25ドルとなる見込みですが、申請者の数によっては最大95ドルまで増額される可能性があります。
加速するAI競争の中でのジレンマ
モルガン・スタンレーによる調査では、潜在的なiPhone購入者が最も期待していた機能が「強化されたSiri」であったことが示されています。市場の激しいAI競争の中で、ユーザーの期待に応えたいという企業の焦りと、実際の開発スピードの差が今回の問題に繋がったと考えられます。
Appleはフィナンシャル・タイムズに対し、「ユーザーに最も革新的な製品とサービスを提供することに集中するため、この問題を解決した」とコメントしています。
この和解案については、2026年6月17日にカリフォルニア州北部連邦地裁で開かれる審問にて、ノエル・ワイズ判事による最終的な承認を受ける予定です。
Reference(s):
cgtn.com