ナイジェリア製造業に危機、燃料費高騰と慢性的な停電で工場閉鎖の懸念 video poster
ナイジェリアで深刻化するエネルギーコストの上昇と不安定な電力供給が、国内の製造業を限界まで追い込んでいます。多くの工場が運営困難に陥っており、産業基盤への影響が懸念されています。
現場を襲う「電力コスト」の衝撃
ラゴスにあるユニバーサル・ラゲッジ・インダストリーズ(Universal Luggage Industries)の状況は、多くの製造業者が直面している困難を象徴しています。国家的な電力網(グリッド)が不安定なため、同社はディーゼル発電機に大きく依存せざるを得ない状況です。
同社のフランク・オニェブ(Frank Onyebu)執行責任者は、電力にかかる費用が13万9,000ドルから14万6,000ドルに達していると明かしています。さらに、頻発する停電が機械に悪影響を及ぼし、生産コストを劇的に押し上げています。
コスト増がもたらす悪循環
- 生産コストの急増:燃料価格の上昇により、運転資金が圧迫されている。
- 在庫の滞留:コスト増を価格に転嫁できず、原価を下回る価格で販売せざるを得ないため、倉庫に未販売の在庫が積み上がっている。
- 設備へのダメージ:突然の停電が精密機械に負荷をかけ、効率を低下させている。
製造業全体に広がる危機感
ナイジェリア製造業者協会(MAN)の報告によると、通常、電力関連の費用は営業コストの約40%を占めています。しかし、近年の燃料価格高騰により、この負担はさらに深刻なものとなりました。
MANのセグン・アジャイ=カディル(Segun Ajayi-Kadir)事務局長は、以前の試算で代替電源への支出が約5,260万ドルに達していたことに触れ、「コストの割合が200%から400%も急増すれば、経営的に致命的な問題となる」と警鐘を鳴らしています。
政府の対策と現場の温度差
ナイジェリア政府は産業支援策として、機械輸入に対する関税免除などの措置を発表しました。しかし、製造業者側はこうした措置だけでは不十分だという見方を示しています。
根本的な解決策は、関税の免除ではなく、不安定な電力供給というインフラ自体の改善にあるためです。消費者の需要が弱まっている中で、コスト増を吸収しきれない企業にとって、電力危機の解消こそが存続の鍵となります。
エネルギーインフラの整備という長期的な課題が、企業の生存権に直結する切実な問題として浮き彫りになっています。
Reference(s):
cgtn.com