ナイジェリアの製造業が危機に:燃料費高騰と停電がもたらす深刻な影響 video poster
2026年現在、ナイジェリアの製造業界が深刻なコスト増に直面しています。ディーゼル燃料の価格高騰と慢性的な電力不足という「二重苦」により、多くの工場が閉鎖の危機にさらされている現状があります。
発電機への依存が招くコストの膨張
ナイジェリアの多くの工場では、国家的な電力網(ナショナル・グリッド)の供給が不安定であるため、自前のディーゼル発電機に頼らざるを得ない状況にあります。
ラゴスに拠点を置くユニバーサル・ラゲッジ・インダストリーズ(Universal Luggage Industries)の事例を見ると、その深刻さが浮き彫りになります。同社のエグゼクティブ・ディレクターであるフランク・オニュブ氏は、頻繁な停電の中でも電気代に13万9,000ドルから14万6,000ドルもの費用を投じていると明かしています。
- 生産への打撃: 1日に何度も発生する大規模な停電が機械に影響を与え、生産コストを急増させている。
- 在庫の蓄積: コスト増を価格に転嫁できず、原価割れの販売を強いられた結果、倉庫には売れ残った商品が溜まっている。
運営コストの40%を占める「電力問題」
この問題は一企業にとどまらず、業界全体の構造的な課題となっています。ナイジェリア製造業者協会(MAN)の報告によると、通常、製造業の運営コストに占める電力関連費用の割合は約40%に達します。
しかし、近年の燃料価格の上昇により、この負担は劇的に悪化しました。MANのセグン・アジャイ=カディール事務局長は、代替電源への支出が以前は約5,260万ドルであったと指摘した上で、「コストが200%から400%も跳ね上がれば、それは致命的な問題になる」と警鐘を鳴らしています。
政府の対策と現場の乖離
ナイジェリア政府は、産業支援策として機械輸入に対する関税免除などの措置を発表しています。しかし、現場の製造業者たちは、こうした対策だけでは不十分だと感じているようです。
設備を新しくしても、それを動かすための安定した電力供給という根本的なインフラ問題が解決されなければ、実質的な改善は見込めないためです。消費者の需要減退と利益率の低下が重なるなか、多くの企業が損失を吸収しきれず、廃業という選択肢に追い込まれつつあります。
インフラの安定性が産業の競争力に直結するという現実は、発展途上国のみならず、経済基盤を再構築しようとする多くの地域にとって共通の課題と言えるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com