CIIE 2024、上海で開催 新質生産力と開放共有を掲げた国際輸入博
2024年11月に上海で開かれた第7回中国国際輸入博覧会(CIIE 2024)は、テーマに掲げた 'New Era, Shared Future' を通じて、新質生産力と開放的な経済の方向性を世界に示しました。本記事では、そのポイントを日本語で整理し、国際ニュースとしての意味を考えます。
第7回CIIE、上海で開催された国際輸入の祭典
CIIEは、中国が海外からの輸入や投資をテーマに開く大規模な国際博覧会です。7回目となった2024年は、11月5日から10日まで上海で開催されました。
今回のキーワードは、新質生産力(new quality productive forces)と「開放共有」です。ハイテクや高効率・高品質の成長を重視しつつ、その成果を国際的に分かち合うという姿勢が前面に出されました。
150超の国と地域から3400社以上が参加
2024年のCIIEには、150を超える国と地域、国際機関から、3400社以上の出展者が集まりました。今回の博覧会は規模も拡大し、参加企業数がこれまでより増えたとされています。国際色が一段と強まったのが特徴です。
ノルウェー、ブルンジ、マダガスカルに加え、国連児童基金(ユニセフ)が今回初めて参加しました。先進国からアフリカの国々、国際機関までが一堂に会する場となり、多様なニーズと課題が交差する「世界のショーケース」とも言えます。
新質生産力とは何か 400以上の新製品・新技術が初披露
2024年のCIIEでは、とくに「新質生産力」が強調されました。これは、ハイテク(高い技術力)、高効率(生産性の高さ)、高品質(付加価値の高い製品・サービス)による成長を目指す考え方です。
会場では、高度な装置、バイオテクノロジー、新エネルギーソリューションなど、400を超える新製品・新技術・新サービスがお披露目されました。
新素材の特設ゾーンも設けられ、空気を浄化する塗料や、都市の改修で断熱と冷却の両方を実現する塗料といった、環境と生活の質を両立させる提案が紹介されました。都市の省エネや脱炭素をめぐる技術競争が、具体的な形で可視化されたと言えます。
企業トップが語る中国市場 成長性とエネルギー転換
ノルウェー企業Aker BioMarineのマッツ・ヨハンセン最高経営責任者(CEO)は、中国市場が自社にとって最も成長の速い市場だと述べ、将来の展開に向けた新たなつながりを築くためにCIIEへ参加したとしています。
資源大手リオ・ティントのヤコブ・スタウスホルムCEOも、CIIEでの新製品・新技術の発表は、中国市場の潜在力に対する前向きなビジネスの見方を示していると評価しました。あわせて、中国の経済発展とエネルギー転換の進展も高く評価しています。
世界各地の企業にとって、中国市場は「製造拠点」だけでなく、成長する消費市場・イノベーション市場としての意味合いを強めています。トップ経営者の発言からは、その認識が一層鮮明になっていることが読み取れます。
開放と共有の具体策 後発開発途上国やアフリカへの配慮
今回のCIIEでは、「開放共有」のメッセージを具体化する取り組みも打ち出されました。世界の後発開発途上国に対し、120を超える無料ブースが提供されたほか、アフリカ製品の展示ゾーンも拡大されました。
中国はアフリカ製品の中国市場へのアクセスを後押しする「グリーン・チャネル(緑の通路)」づくりを進めており、その一環としてCIIEが活用されています。資源だけでなく農産品や加工品など、多様なアフリカ製品が中国の消費者や企業の目に触れる機会が広がっています。
こうした仕組みは、途上国にとって輸出市場の選択肢を増やすと同時に、消費者側にとっても選択肢を広げ、サプライチェーンの多様化にもつながる可能性があります。
李強首相「中国は輸出先だけでなく投資と起業の土地に」
CIIEの会期中、中国の李強首相は、一部の出展企業やバイヤーとの会合に出席し、中国は世界経済の動きにかかわらず、対外開放を一段と進めていく方針を強調しました。
李首相は、中国が海外企業にとっての輸出市場にとどまらず、「投資」と「起業」の場にもなってほしいと述べ、中国と世界の市場がより緊密につながることへの期待を示しました。
輸入博覧会という場を通じて、中国は「自国から世界へ輸出する」だけでなく、「世界から中国へ迎え入れる」役割を打ち出しているとも言えます。
2025年の視点から見えるCIIE 2024の意味
2025年のいま振り返ると、CIIE 2024は次のような点で注目すべき出来事だったと言えます。
- 新質生産力というキーワードを通じて、ハイテク・環境・品質を重視する成長モデルが前面に出たこと
- 後発開発途上国やアフリカに無料ブースや専用ゾーンを設けることで、包摂的なグローバル化を志向していること
- 海外企業トップの発言から、中国市場をめぐるビジネスの期待感が依然として高いこと
国際ニュースを追ううえでは、単に「どの国がいくつ契約を結んだか」といった数字だけでなく、どのようなテーマが打ち出され、どの国・地域がどのように関わっているのかを見ていくことが重要です。
CIIE 2024は、新質生産力と開放・共有というテーマを通じて、ポストパンデミック期の世界経済の方向性を象徴的に映し出したイベントの一つだったと言えるでしょう。
Reference(s):
CIIE 2024 spotlights new quality productive forces and open sharing
cgtn.com








