2024年、香港のスタートアップ数が過去最多に ヘルス・医療とグリーン技術が牽引
2024年、香港のスタートアップが過去最多に
2024年、香港特別行政区のスタートアップ数とその従業員数が過去最高を更新したことが、政府公表の統計で明らかになりました。香港がアジアのイノベーション拠点として存在感を高めている動きとして注目されます。
スタートアップ数は4,694社、2020年比で約4割増
香港特別行政区政府が、投資誘致機関であるInvest Hong Kong(InvestHK)の最新データとして発表したところによると、2024年の香港のスタートアップ数は4,694社となり、前年から10%増加しました。2020年と比べると約40%の増加で、ここ数年の右肩上がりの成長が続いています。
これらスタートアップの合計従業員数は、2024年時点で約1万8,000人に迫り、前年から7%増、2020年比ではおよそ65%増とされています。企業数だけでなく雇用の面でも、スタートアップが香港経済に占める存在感が拡大していることがうかがえます。
ヘルス・医療とサステナブル技術が成長をけん引
InvestHKの投資推進総監であるアルファ・ラウ氏は、この堅調な伸びについて、政府が新興分野や企業を支援するために取ってきた積極的な施策の成果だと説明しています。
特に伸びが大きかった分野として、「ヘルス・医療」と「サステナブル・グリーン技術」が挙げられています。イノベーションとグリーンエネルギーへの投資が、香港のスタートアップ・エコシステムを押し上げている構図が浮かび上がります。
政府支援の具体策:I&Tアクセラレーター試行スキーム
香港特別行政区政府は、実績のある国際的なスタートアップ・アクセラレーターを香港に誘致するため、「I&Tアクセラレーター試行スキーム」を立ち上げる計画も示しました。
- 予算規模は1億8,000万香港ドル(約2,319万米ドル)
- 政府と参加機関が1対2のマッチング比率で資金を拠出
こうした仕組みによって、海外で実績を重ねたアクセラレーターを取り込み、香港におけるスタートアップ育成のノウハウやネットワークを強化していく狙いがあります。
34カ所の海外拠点とトルコ新事務所計画
香港のビジネス環境をさらに高めるために、InvestHKは今後も世界各地のネットワークを通じて、香港で事業を行うことのメリットを潜在的な投資家や企業に発信していく方針です。
現在、InvestHKは世界34カ所にオフィスを設置していますが、発表当時の計画では、2025年第1四半期にトルコで新たなオフィスを開設する方針も示されていました。この取り組みは、同機関の国際的なプレゼンスを広げるとともに、中国が提唱する「一帯一路」協力枠組みに参加する国々との関わりを深める戦略の一部と位置づけられています。
日本の読者にとっての意味:どこに「強み」をつくるか
2024年のデータからは、香港がスタートアップやイノベーション分野で存在感を高めている姿が見えてきます。特に、ヘルス・医療やサステナブル・グリーン技術のように、社会課題と直結する分野が伸びている点は、都市の競争力を考えるうえで重要です。
日本の読者にとっても、香港の動きは次のような問いを投げかけます。
- どの分野に重点を置いてスタートアップを育成するべきか
- 公的な支援と民間アクセラレーターをどう組み合わせるのか
- 都市としてどのような「強み」を世界に向けて発信していくのか
数字のインパクトだけではなく、その裏側にある政策や分野の選び方に目を向けることで、アジアの都市がどのようにスタートアップ・エコシステムを形づくろうとしているのかを、より深く考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








