中国の藍財政相、2025年はより積極的な財政政策へ 超長期国債1.3兆元を発行
中国の財政政策、2025年は「より積極的」に
2025年3月に開催された「中国発展ハイレベルフォーラム2025」で、中国の藍佛安(ラン・フォアン)財政相は、今年の中国はこれまで以上に積極的な財政政策を実施し、その「持続的な力と有効性」を確保すると強調しました。中国経済の減速懸念が続くなか、財政政策を通じて景気を下支えし、国内需要を押し上げる方針です。
藍財政相は、中国経済と財政の「実力」はこの数年で大きく高まり、マクロ経済運営や財政ガバナンス(財政運営の仕組み)についても経験が蓄積されたと説明しました。そのうえで、中国経済の強みとして、
- 堅固な経済の基礎体力
- 多くの構造的な優位性
- 強い回復力と底力
- 長期的な成長を支える巨大な潜在力
を挙げ、「潜在的なリスクに対する冷静な認識」と「先を見据えた備え」があると述べました。こうした認識を背景に、「ショックや新たな課題に対応するための財政スペース(財政余地)は十分にある」とも語っています。
最優先は消費拡大と投資効率の向上
2025年の財政政策の「第一の任務」として藍財政相が掲げたのは、消費を大きく押し上げること、そして投資の効率を高めて国内需要を拡大することです。中国の超大規模市場の潜在力を引き出すことが狙いです。
藍財政相は「中国には世界で最も有望な超大規模市場があり、消費の成長余地は非常に大きい」と述べ、中央政府としては、
- 供給側(企業や産業)の投資とイノベーションを後押しする措置
- 需要側(家計・消費者)の購買力を高める支援策
の両面から消費を刺激していくと説明しました。
具体策の一つが、耐久消費財などの「買い替え(トレードイン)プログラム」です。公式データによると、この全国的な消費財買い替え支援に充てる政府資金は、前年の1500億元から2025年には3000億元へと倍増する予定です。自動車や家電などのリプレース需要を掘り起こし、関連産業の投資と雇用につなげる狙いがあるとみられます。
1.3兆元の超長期特別国債とは
2025年の財政運営で注目されるのが、超長期の特別国債の発行です。中国は2025年に総額1.3兆元(約1810億ドル)の超長期特別国債を発行する計画で、これは前年より3000億元多い規模です。
「超長期特別国債」とは、償還期間が非常に長く、特定の政策目的のために発行される国債を指します。藍財政相によれば、今年は多額の財政資金をあらかじめ手当てし、
- インフラ整備
- 重点産業やイノベーション分野
- 地域間のバランスある発展
など、効果的な投資につながる分野に資金を重点配分する方針です。複数の資金調達ルートを組み合わせ、特定の領域を狙い撃ちで支援することで、財政支出の「質」を高めようとしています。
「新質生産力」の育成に財政がどう関わるか
藍財政相は、2025年のもう一つの柱として「新質生産力」の育成を挙げました。これは、デジタル技術やグリーン技術など、新しいイノベーションによって生み出される高付加価値な生産力を指す中国の政策用語です。
中央政府は、
- 教育への投資拡大
- 科学技術分野の研究開発支援
- 高度な人材育成への重点配分
などを通じて、新しい産業の成長と既存産業の高度化を後押しする方針です。技術革新と産業革新を「深く統合」させることで、中長期的な成長エンジンをつくる狙いがあります。
高水準の対外開放とビジネス環境の改善
今回の発言は、世界各国の企業トップが参加したフォーラムの場で行われました。藍財政相は、中国の財政政策は「高水準の対外開放」を支える役割も果たすと強調しました。
具体的には、
- すべての企業形態に対して平等な扱いを徹底すること
- 制度面・運営面でのビジネス環境の改善を続けること
などを挙げ、国内外の企業が活動しやすい土壌を整える考えを示しました。消費市場の拡大と投資環境の改善を同時に進めることで、海外企業を含む多様な企業の参入・拡張を促したい意図もうかがえます。
2025年の中国経済運営を読むうえでのポイント
今回示された方針からは、2025年の中国が、財政政策をこれまで以上に前面に出して経済運営を行っていることが見えてきます。今年打ち出された政策は、
- 消費の底上げ(買い替え支援など)
- 投資の「量」より「質」へのシフト
- 教育・科学技術・人材への重点投資
- 対外開放とビジネス環境の改善
といったキーワードで整理できます。
藍財政相は、中国経済の潜在力への強い自信を示す一方で、「潜在的なリスク」を冷静に見つめ、事前に備える姿勢も強調しました。2025年の残りの期間、こうした積極的な財政運営が、国内需要の拡大や世界経済の安定にどのような影響を与えるのか。国際ニュースとして引き続き注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








