中国、米国の電子機器関税免除を「小さな一歩」と評価 全面撤回を要求
中国商務省は、米トランプ政権が発表したスマートフォンやコンピューターなど電子機器に対する最新の関税免除措置について「過ちを正す小さな一歩だ」と評価しつつ、追加関税の全面撤回を求めました。米中経済・貿易関係をめぐる今後の行方に、あらためて注目が集まっています。
米国、スマホやPCなど電子機器の関税を一部免除
米国税関・国境警備局(CBP)は現地時間の金曜日夜、輸入時の追加関税から除外される製品の関税コード一覧を公表しました。通知によると、これらの関税免除は2025年4月5日午前0時1分(米東部時間、協定世界時4時1分)にさかのぼって適用されます。
対象となるのは、スマートフォンやコンピューターなどの電子機器を含む20の製品カテゴリーで、その中には次のような品目が含まれています。
- コンピューター、ノートパソコン、ディスクドライブなどを含む広範な「8471」コードの製品
- 各種半導体デバイスと関連機器
- メモリーチップ(記憶装置)
- フラットパネルディスプレー
こうした電子機器は、グローバルなサプライチェーンとデジタル経済の中核をなす分野であり、関税の見直しは企業や消費者のコストに直接影響します。
中国商務省「誤りを正す小さな一歩」
中国商務省は日曜日に声明を発表し、今回の米国による最新の「相互」関税免除措置について、「誤りを正す小さな一歩だ」と表現しました。そのうえで、追加関税の一部免除にとどまらず、全面的な撤回を強く求めています。
声明の中で商務省報道官は、「米国が国際社会や国内の理性的な声を真剣に受け止め、大きな一歩を踏み出して過ちを正し、『reciprocal tariffs(相互関税)』という誤ったやり方を完全に取りやめ、相互尊重という正しい道に戻るよう促す」と述べました。
中国側はまた、「現在、中国は今回の措置がもたらす最新の影響を評価している」とし、関税免除の実務的なインパクトを慎重に見極めていることを示しました。
「貿易戦争に勝者はいない」一貫した立場を再確認
商務省報道官は、中国の米中経済・貿易関係に対する立場は一貫していると強調しました。その中心にあるのは、「貿易戦争に勝者はいない」「保護主義に出口はない」という考え方です。
声明では、関税の応酬が長期化すれば、企業活動の不確実性が高まり、投資や雇用、消費にも悪影響が出る可能性があるとの認識がにじみます。中国側は、相互尊重と対話にもとづく協力こそが、両国にとって持続可能な道だと繰り返し訴えています。
米中関係とグローバル経済への含意
今回の関税免除は、電子機器や半導体といった戦略的分野を対象としている点で注目されます。一方で、中国商務省が「小さな一歩」にすぎないと位置づけたことからも分かるように、米中間の関税問題はなお根本的な解決には至っていません。
米中両国は世界経済を支える主要な経済大国であり、相互の貿易関係はサプライチェーンや金融市場にも大きな影響を与えます。2025年12月現在、デジタル化や脱炭素など各国の経済政策が加速する中で、両国がどのように貿易摩擦を管理し、協力の余地を広げていくのかが問われています。
中国が今回の措置の影響を評価していると明らかにしたことは、今後の交渉や対応に一定の柔軟性を残しつつも、自国と世界経済の安定を重視する姿勢の表れとも受け取れます。
私たちが押さえておきたいポイント
日本を含むアジアの企業や投資家にとっても、米中の関税政策は無関係ではありません。今回のニュースから、次のようなポイントを押さえておくとよさそうです。
- 米国はスマホやPC、半導体など20カテゴリーの電子機器を追加関税から除外し、2025年4月5日にさかのぼって適用
- 中国商務省はこれを「誤りを正す小さな一歩」と評価しつつ、関税の全面撤回と相互尊重への回帰を要求
- 中国は「貿易戦争に勝者はいない」「保護主義に出口はない」との一貫した立場を再確認
- 今後の米中協議の進展次第で、電子機器や半導体分野のコスト構造やサプライチェーンに変化が生じる可能性
貿易政策は一見すると遠い世界の話に見えますが、スマートフォンやパソコンの価格、企業の投資計画、さらには私たちの雇用や生活コストにも影響し得るテーマです。米中両国がどのような「次の一歩」を踏み出すのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
China: U.S. latest spare for tariffs 'small step to fix its mistakes'
cgtn.com








