バフェット氏「貿易を武器にすべきではない」米国の関税と保護主義に懸念
米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、米国の関税や保護主義的な姿勢に対し「貿易を武器にすべきではない」と強い懸念を示しました。2025年の国際ニュースや米国経済を考えるうえで、象徴的な発言となりそうです。
「貿易を武器にすべきではない」と警告
米投資会社バークシャー・ハサウェイの会長兼CEOであるバフェット氏は、ネブラスカ州オマハで土曜日に開かれた同社の年次株主総会で、米国の貿易政策について持論を語りました。
バフェット氏は次のように述べました。
- 「貿易は武器にしてはならない("Trade should not be a weapon")」
- 「75億人もの人々があまり米国を好ましく思っていない状況で、3億人の米国人だけが自分たちの成功を誇示するのは、正しくも賢明でもない」
人口規模を引き合いに出しながら、米国が貿易や関税を通じて他国との関係を悪化させることは、長期的な国益にも合致しないというメッセージです。
「世界が豊かになるほど、米国も安全で豊かに」
さらにバフェット氏は、世界経済の成長と米国の繁栄は対立関係ではなく、むしろ相互に支え合う関係にあると強調しました。
氏は、「世界の他の地域が豊かになるほど、それは米国の犠牲ではなく、むしろ米国自身もより豊かになり、私たち、そしてあなた方の子どもたちが、より安心して暮らせるようになる」と語り、保護主義ではなく、国際的な繁栄の共有こそが米国の安全保障と経済にとってプラスになるとの考えを示しました。
国際ニュースの文脈で見ると、この発言は「自国第一」を優先する政策に対する穏やかなカウンターメッセージとも言えます。貿易やグローバル経済をゼロサム(誰かの得は誰かの損)ではなく、プラスサム(皆が得をする)として捉える視点です。
バークシャー・ハサウェイの業績にも「貿易リスク」
同じ土曜日に公表された2025年第1四半期の決算では、バークシャー・ハサウェイの営業利益は96.4億ドルと、前年同期比で14%減少しました。この中には、7億ドル超の為替差損が含まれています。
同社は四半期報告書のなかで、今後の業績について次のように慎重な見方を示しました。
- 「当社の定期的な営業成績は、今後もマクロ経済や地政学的な出来事の影響を受ける可能性がある」
- 「2025年には、国際貿易政策や関税を含むこうした出来事の変化のペースが加速している」
- 「最終的な帰結については、依然として相当程度の不確実性が残っている」
バフェット氏自身の発言と合わせてみると、貿易政策や関税の変更が、金融市場だけでなく、為替や企業収益を通じて実体経済にも波及していることへの警戒感がうかがえます。
なぜいま「貿易を武器にしない」視点が重要か
今回のコメントは、2025年に入り国際貿易政策や関税をめぐる動きが一段と不透明になっているタイミングで出てきました。バークシャー自身が「変化のペースが加速している」と指摘するほど、環境は揺れています。
バフェット氏のメッセージからは、次のようなポイントが読み取れます。
- 貿易は相互依存の仕組み: 政治的な圧力手段として乱用すると、長期的には自国の信頼や安全も損なうリスクがある。
- 世界の成長は「敵」ではない: 他地域が豊かになることは、自国の輸出市場拡大や安定にもつながりうる。
- 企業も貿易リスクの当事者: 為替やサプライチェーン、関税の変化は、具体的な損失や不確実性となって決算に現れている。
国際ニュースを日々追う読者にとって、貿易や関税をめぐる話題は「遠い政治の話」のように見えがちです。しかし、世界的な投資家であり巨大企業の経営トップでもあるバフェット氏が、株主総会という場で繰り返し警鐘を鳴らしていることは、2025年の投資やビジネス、雇用を考えるうえで無視できないシグナルと言えます。
読者にとっての問いかけ
今回の発言は、単なる投資家のコメントにとどまらず、私たち一人ひとりにも問いを投げかけています。
- 「自国の利益」と「世界全体の安定的な成長」をどう両立させるのか。
- 貿易摩擦や関税ニュースを、どこまで自分ごととして捉えられるのか。
- 企業や投資家は、不確実性が高まるなかでどのようにリスク管理を行うべきか。
通勤時間やスキマ時間にニュースをチェックするデジタルネイティブ世代にとっても、「貿易を武器にしない」という視点は、SNSでの議論や仕事の現場での会話のきっかけになりそうです。
2025年の国際ニュースを追いながら、このバフェット氏の一言をどこか頭の片隅に置いておくと、貿易や経済政策のニュースが少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








