中国商務省、米国に安全保障乱用と関税引き上げ撤回を要求【国際ニュース】
中国商務省が米国に対し、国家安全保障の概念を一般化・過度に用いることをやめ、鉄鋼・アルミ製品への追加関税や各種制限措置を見直すよう強く求めました。世界の産業・サプライチェーンに与える影響があらためて問われています。
鉄鋼・アルミ関税を25%から50%へ 中国が強く懸念
木曜日の定例記者会見で、商務省の報道官He Yongqian氏は、米国が輸入鉄鋼・アルミニウムおよびその派生製品にかける関税を25%から50%へと引き上げる決定についてコメントしました。
報道官は、このような米国の措置は他国を害するだけでなく、自身にも害を及ぼし、世界の産業・サプライチェーンの安定を深刻に損なうと指摘しました。
中国は、米国が国家安全保障の概念を一般化し過度に利用することをやめ、すべての関係国とともに、ルールに基づく多角的貿易体制を維持すべきだと訴えています。
ゼロサム思考を批判 対話による解決を呼びかけ
He氏は、米国に対しゼロサム(勝者総取り)的な発想を捨て、平等な対話を通じて双方の懸念を解決し、世界の産業・サプライチェーンの安定を共同で維持するよう呼びかけました。
会見で中国側が強調したポイントは次の通りです。
- 国家安全保障の概念を一般化・拡大解釈した貿易措置をやめること
- ルールに基づく多角的貿易体制を各国と協力して守ること
- 世界の産業・サプライチェーンの安定を共同で維持すること
5月のジュネーブ協議後に相次いだ制限措置
報道官は、今年5月にスイス・ジュネーブで行われた中国・米国の経済・貿易協議にも言及しました。中国側は、この協議で達成された共通認識を真摯に履行し、合意内容を守ってきたと説明しました。
しかしその後、米国は中国に対して一連の新たな制限措置を導入し、協議で得られた共通認識を露骨に損ない、中国の正当な権益を著しく侵害していると中国側は批判しています。
中国はこうした動きに対し、強い不満と断固たる反対を表明し、米国側に直ちにこうした行為をやめるよう要求しました。さらに、米国がなおも固執するのであれば、中国は自国の合法的権益を守るため、断固として有効な措置を取ると強調しました。
セクション301関税の撤廃も要求 コストは米企業と消費者に
中国商務省は、米国通商法301条に基づくいわゆるセクション301関税に対する中国の立場は明確かつ一貫しているとあらためて強調しました。
報道官は、これらの関税のコストは最終的に米国の企業と消費者が負担していると指摘し、こうした措置が米国自身の経済にも影響を与えているとの見方を示しました。
中国は、米国に対し、セクション301関税およびその他の対中制限措置を完全に撤廃し、双方の経済・貿易関係が健全で安定的かつ持続可能な形で発展するよう促しています。
なぜこの動きが重要なのか 日本の読者への視点
今回の発言は、米国の通商政策に対する中国側の強い懸念と、ルールに基づく多角的貿易体制を重視する姿勢をあらためて示すものです。米中間の通商摩擦は、両国だけでなく、日本を含む世界の企業や消費者にも影響が及ぶ可能性があります。
読者として考えてみたい論点を、あえて三つに整理してみます。
- 国家安全保障を理由とした関税や制限措置は、どこまで正当化されるべきか
- 追加関税のコストは、最終的に誰が負担しているのか
- ルールに基づく多角的貿易体制を、各国はどのように守り、再構築していけるのか
米国の追加関税や制限措置、中国の対抗措置をめぐる動きは、今後も世界経済やアジア地域のサプライチェーンに影響を与え続ける可能性があります。これからの展開が、私たちの日常やビジネスにどのようにつながるのか、注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
China urges U.S. to abandon excessive use of national security concept
cgtn.com








