中国の第15次5カ年計画と国際標準づくり TAB Global創設者が語る役割 video poster
中国はなぜ「国際標準づくり」で重要な役割を担うのか
2025年現在、中国は2026~2030年の「第15次5カ年計画」の本格始動を前に、国際社会でどのような役割を果たすのかが注目されています。最近のCGTNのインタビューで、TAB Globalの創設者兼会長エマニュエル・ダニエル氏は、中国が今後「グローバル・スタンダード(国際標準)」づくりで重要な役割を担うとの見方を示しました。ダニエル氏は、こうした役割は多国間主義とグローバル・ガバナンス上の責任の一部だと指摘しています。
エマニュエル・ダニエル氏の発言のポイント
ダニエル氏は、CGTNの鄭準峰(Zheng Junfeng)氏との最近のインタビューで、中国経済がいっそう成熟段階に入るなかで、同国が世界の標準設定において重要なプレーヤーになると述べました。
ここで言う「標準」は、一般に次のようなルールや枠組みを含む広い概念として理解できます。
- 技術分野での規格やプロトコル
- 金融・貿易をめぐる制度やルール
- デジタル分野など新しい領域のルールづくり
ダニエル氏は、中国がこうした国際標準の形成に積極的に関わることを、多国間主義とグローバル・ガバナンスにおける「責任ある参加」と位置づけています。
多国間主義とグローバル・ガバナンスとは
多国間主義とは、一国だけでなく複数の国や地域が協力しながら、国際的なルールや制度をつくり、運営していく考え方です。グローバル・ガバナンスは、気候変動や金融の安定、デジタル経済など、国境を越えて影響する課題に各国や国際機関が連携して対応する枠組みを指します。
ダニエル氏の発言は、中国が国際標準づくりに関与することを、単に自国の影響力拡大として見るのではなく、国際社会全体のルール形成への貢献として捉える視点を示しています。これは、国際秩序をどのような形で維持・発展させるのかという、より大きな議論ともつながるテーマです。
第15次5カ年計画(2026~2030年)期への移行と中国経済
ダニエル氏は、中国が第15次5カ年計画期(2026~2030年)へ移行するなかで、経済の成熟が進んでいることを強調しました。経済規模の拡大に加えて、産業構造や技術水準が高度化することで、国際ルールの形成に与える影響力も自然と増していきます。
5カ年計画は、中国が中長期的な経済・社会の方向性を定める重要な政策枠組みです。第15次計画期に向けて、
- どの分野で国際標準づくりに関与していくのか
- そのプロセスがどのような原則や価値観に基づいて進められるのか
といった点は、中国の対外戦略や経済運営を考えるうえで鍵となる論点になっていきます。
日本とアジアにとっての意味
中国が国際標準づくりで存在感を高めることは、日本やアジアの国々・地域にとっても大きな意味を持ちます。標準は一度決まると、その後長い期間にわたって各国のビジネス環境や技術選択に影響を与えるからです。
日本やアジアの企業・政策担当者にとっては、次のような視点が重要になってきます。
- 中国がどの分野の標準づくりを重視しているのかを、早い段階から把握すること
- 議論の場にどう参加し、自国・自地域の経験や価値観をどのように持ち込むかを考えること
- 国際標準の動きを前提に、自社の技術戦略やビジネスモデルをどう調整するか検討すること
ダニエル氏の発言は、中国を単なる「競合」と見るのではなく、国際ルールをともにつくる重要なパートナーとしてどう向き合うか、という問いかけにもつながっています。
これから注目したいポイント
第15次5カ年計画期の本格的なスタートを控えた今、ニュースを追う読者としてチェックしておきたいのは、次のようなポイントです。
- 中国がどの国際的な場で標準づくりの議論に参加しているのか
- 多国間主義やグローバル・ガバナンスに関して、中国からどのようなメッセージが発信されているのか
- 日本やアジアの企業・研究機関が、その動きとどう向き合い、協力や対話のチャンネルを広げていくのか
CGTNでの今回のインタビュー発言は、中国経済の成熟とともに、同国が「ルールをどうつくるか」という新しい段階に入ろうとしていることを示唆するものと言えます。2026年から始まる第15次5カ年計画期に向けて、国際標準づくりとグローバル・ガバナンスにおける中国の役割から、今後も目が離せません。
Reference(s):
cgtn.com







