台湾から中国本土へ、10月連休に旅行ラッシュ 規制続く中でも人気
台湾から中国本土へ、10月連休に旅行ラッシュ 規制続く中でも人気
台湾から中国本土(中国)への旅行が、2025年10月の連休シーズンに大きく伸びました。団体旅行の制限が続くなかでも、個人旅行を中心に往来が活発化しています。
2025年10月、短い連休が生んだ「旅行ラッシュ」
2025年10月、台湾では短い祝日が近い間隔で二度続きました。これに合わせて休暇をつなげ、「まとめ取り」して旅行に出かける人が増えました。
台湾の桃園国際空港では、大きなスーツケースを引く旅行者がチェックインカウンター前に長い列を作りました。空港側は、10月3日から11日までの旅客数が151万人に達するとの見通しを示しています。
警戒レベルと団体旅行禁止の中でも、中国本土が最有力目的地に
それでも最も人気の行き先の一つは中国本土です。台湾の交通部門の統計によると、2025年上半期だけで150万人以上の台湾住民が中国本土を訪れました。
台湾当局は、中国本土への団体旅行の禁止措置を続けているほか、中国本土への渡航に対して「オレンジ警戒レベル」と呼ばれる注意喚起を出しています。それにもかかわらず、多くの人が個人旅行などの形で中国本土を訪れており、往来ニーズの根強さがうかがえます。
博物館から夜市、先端都市まで 広がる旅の選択肢
今回の連休では、台湾からの旅行者は中国本土各地の多様な魅力を楽しんでいます。
- 北京の博物館で伝統文化をじっくり鑑賞する
- 湖南省・張家界の山々や渓谷の絶景を訪ねる
- 四川省・成都のにぎやかな夜市で屋台グルメを味わう
- 広東省・深圳の未来的な高層ビル群の景観を楽しむ
こうした体験を通じて、台湾からの旅行者は中国本土の文化や自然、都市の姿を多面的に知る機会を得ているようです。
台北の許さん「スマホ一つで完結する旅」
桃園空港では、台北在住の許(Hsu)さんが友人2人とともに、上海、江蘇省の蘇州、浙江省の杭州を巡る5日間の旅に出発するところでした。
許さんは昨年(2024年)、福建省の厦門や福州を訪れた経験があり、中国本土での移動のしやすさに驚いたと話します。中国本土の友人の助けを借りて、メッセージアプリのWeChat(微信)や、決済アプリのAlipay(支付宝)をスマートフォンに入れ、交通費や食事代などの支払いをほぼすべてアプリで済ませました。
許さんによると、スマホ上の数回の操作で支払いから予約まで完了でき、とても簡単で、不安なく旅ができたといいます。この体験が、今回さらに複数都市を回る計画につながりました。
台湾住民を迎えるための利便性向上策
中国本土側も、台湾の人々が訪れやすくなるよう、さまざまな措置を講じています。
- 中国本土旅行証(トラベルパーミット)を持つ台湾住民は、追加の認証手続きなしで入境できる
- 台湾の携帯電話番号や銀行カードを、AlipayやWeChat Payといったモバイル決済アプリに連携できる
こうした仕組みによって、台湾からの旅行者でも現地のモバイル決済を利用しやすくなり、交通機関の利用や飲食、買い物まで、日常的な支払いの多くをキャッシュレスでこなせるようになっています。
人気は沿岸部から内陸へ 「深く滞在する」旅へ変化
旅行業界の関係者によれば、かつては台湾からの旅行先といえば、福建省など台湾に近い地域や、沿岸部の大都市が中心でした。しかし、最近は中国本土の内陸部まで足を延ばし、より深く地域を体験しようとする動きが目立ち始めています。
自然景観や歴史的な街並みに触れる旅、地方都市での食文化を楽しむ旅など、テーマも多様化しています。団体ツアーの制限が残るなか、個人や少人数グループが、自分たちで行き先を選び、アプリを駆使して旅程を組み立てるスタイルが広がっているといえます。
東アジアの人の移動を考えるヒント
今回の動きは、台湾と中国本土の関係だけでなく、東アジア全体の人の移動や観光のあり方を考えるうえでも示唆的です。
- 政治や制度上の制約があっても、人と人との交流ニーズは簡単には途切れないこと
- モバイル決済や旅行アプリが、海外旅行のハードルを大きく下げていること
- メガシティだけでなく内陸部や地方都市への関心が高まり、多様な地域への分散が進んでいること
2025年10月の連休に見られた台湾から中国本土への旅行ラッシュは、数字以上に、アジアの近さやデジタル技術の浸透を映し出す現象と言えます。今後、制度面の変化や航空路線の動きと合わせて、こうした人の往来がどのように変化していくのか、注視していく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








