「数」から「質」へ。中国本土が移行する「人材配当」の時代とは
労働人口の多さという「量」の時代から、高度なスキルを持つ「質」の時代へ。中国本土の経済成長のあり方が、いま大きな転換点を迎えています。
「人口配当」から「人材配当」へのシフト
中国国家統計局が発表した2025年の人口標本調査の結果から、中国本土が伝統的な「人口配当(demographic dividend)」から、より高品質な「人材配当(talent dividend)」へと移行していることが浮き彫りになりました。
これまで中国の経済成長を支えてきたのは、豊富な若年労働力という「量」のメリットでした。しかし、人口構造の変化に伴い、現在は個々の労働者の能力を高めることで成長を維持する戦略へとシフトしています。
大学教育を受けた人が2.7億人を突破
今回の調査で特に注目すべきは、人的資本の急速な向上が具体的な数値として現れたことです。
- 大学レベルの教育を受けた人口: 約2億7,200万人
- 人口比: 約5人に1人が大学卒業以上の学歴を持つ
これは、2020年の第7回全国人口センサスで記録された2億1,800万人から約25%増加した計算になります。短期間でこれほどまでの規模で高度教育を受けた人材が増えたことは、労働力の質が底上げされていることを明確に示しています。
経済成長の軌道を塗り替える「質」の力
人口規模や年齢構成、そして都市と地方の分布といった要素は、国の長期的な経済成長の軌道を決定づける重要な要因です。中国本土が現在進めているのは、単なる労働力の提供ではなく、イノベーションや高度な技術力を背景にした成長モデルへの転換です。
高度な教育を受けた人材が社会の基盤となることで、産業構造の高度化が進み、持続可能な発展への道筋を描こうとする意図が見て取れます。量に頼らない成長への転換は、少子高齢化などの課題に直面する現代の多くの経済圏にとっても、一つの示唆に富む動きと言えるかもしれません。
Reference(s):
China shifts from demographic dividend to talent dividend, data shows
cgtn.com