UN Tourism 2025年最優秀観光村に貴州省黄崗村 ドン族文化が評価 video poster
中国南西部・貴州省にあるドン族の集落、黄崗村が、国連の観光機関UN Tourismによる2025年の Best Tourism Villages に新たに選ばれました。約800年の歴史を持つ村が、伝統文化を守りながら観光と共に歩もうとしている姿は、国際ニュースとしても注目されています。
UN TourismのBest Tourism Villagesとは何が評価されたのか
UN Tourismの2025年版 Best Tourism Villages に認定された黄崗村は、長い歴史と独自の文化、そして近年の文化観光の取り組みが評価された村です。
- 約800年の歴史を持つドン族の集落
- 男性の合唱によるドン族大歌(Dong Grand Song)の発祥地
- 木造建築がよく残り、伝統的な暮らしの雰囲気が保たれている
- 文化観光や特色ある民宿によって、地元の仕事と収入が生まれている
歴史ある村が、観光を通じて新しい活力を得ていることが、今回の選出の背景にあります。
800年続くドン族の暮らしと文化
黄崗村は、ドン族の人びとが暮らす集落で、長い年月をかけて育まれてきた文化が今も息づいています。山あいの村の景観とともに、日常の中に伝統が溶け込んでいる点が大きな特徴です。
人類の無形文化遺産・ドン族大歌
黄崗村は、男性の合唱によるドン族大歌(Dong Grand Song)の「故郷」として知られています。この歌は人類の無形文化遺産とされる伝統芸能で、世代を超えて受け継がれてきました。
ドン族大歌は、楽器をほとんど使わず、声だけで重なり合うハーモニーが特徴です。村の人びとの歴史や自然へのまなざし、共同体のつながりが歌に込められ、観光客もその歌声を通じて村の世界観に触れることができます。
木造建築と変わらない村の景観
黄崗村のもう一つの魅力は、よく保存された木造建築です。伝統的な木造家屋が並ぶ景観は、長い時間の流れを感じさせます。
こうした木造建築と、日々の暮らしの中に残るドン族の風習や行事が、村全体に「時間がゆっくり流れている」ような印象を与えています。訪れる人は、現代の都市生活とは異なるリズムを体感することができます。
文化観光と民宿が生む新しい仕事と収入
今日の黄崗村は、伝統文化を守るだけでなく、それを生かした文化観光にも力を入れています。村の風景や歌、暮らしに触れたいと願う人びとが訪れ、観光と地域の生活が結びつきつつあります。
特に、特色ある民宿(ホームステイ)が広がり、村に新しい仕事と収入をもたらしている点が重要です。
- 文化観光を通じて、地元に観光関連の仕事が生まれている
- 民宿の運営が、村の人びとにとって新たな収入源となっている
- 訪問者は、山あいの景観や伝統的な暮らし、ドン族のもてなしに直接触れることができる
こうして黄崗村では、文化と観光が対立するのではなく、互いを補い合う形で地域の活力を支えています。
日本の読者にとっての意味──「観光」と「地域」をどう結ぶか
黄崗村のニュースは、単に「観光地が注目を集めた」という話にとどまりません。長い歴史を持つ村が、自らの文化を大切にしながら、観光を通じてどのように地域の仕事や暮らしをつくり直していけるのかという問いを投げかけています。
世界各地で、地域の文化や自然を生かした観光への関心が高まるなか、黄崗村の取り組みは次のような視点を示しています。
- 外から来る人に、何を「見せる」のではなく、どのように「分かち合う」のか
- 観光によって地域の文化や暮らしをどのように守り、伝えていくのか
- 観光が地域の人びとの仕事と生活の安定にどう結びつくのか
2025年12月のいま、UN Tourismの Best Tourism Villages に選ばれた黄崗村の姿は、日本の読者にとっても、観光と地域社会の関係を考えるヒントになります。華やかな観光開発ではなく、歌や木造建築、日々の暮らしといった足もとの文化を軸にした地域づくりのあり方を、静かに映し出していると言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








