中国江蘇省Dongluo村がUN Tourism「Best Tourism Villages 2025」に選出 video poster
中国東部・江蘇省Xinghuaにある農村、Dongluo村が、UN Tourismの2025年「Best Tourism Villages」に選ばれました。江蘇省の農村としては初の選出で、「大地のアート」と呼ばれる独特の景観が国際的に評価された形です。
江蘇省で初めて選ばれた農村観光地
今回の発表では、Dongluo村がUN Tourismの「2025 Best Tourism Villages」の一つとしてリストに加わりました。江蘇省の農村でこの称号を受けるのはDongluo村が初めてで、地域にとって大きな節目となっています。
「Best Tourism Villages」という名前が示すように、観光地としての魅力だけでなく、そこで暮らす人びとの生活や文化も含めて評価されたとみられます。農村そのものが一つの「目的地」として注目されている点が特徴です。
水路と菜の花が織りなす「大地のアート」
Dongluo村の魅力の中心にあるのが、「大地のアート」と呼ばれる風景です。菜の花畑が川のように曲がりくねる水路と組み合わさり、一枚の絵画のような景観が広がります。
村は周囲の自然と農地に囲まれています。
- 東側には観光地として知られるQianduo景勝エリア
- 南側には静かな水辺の風景が広がるPingwang湖
- 北側には一面に広がる果樹園地帯
こうした環境の中で、住民は何世代にもわたって川を掘り、掘り出した肥えた土を積み上げて畑をつくってきました。水路と高く盛られた畑が入り組む独特の地形は、人びとの暮らしと農作業の積み重ねが生んだ「生活のアート」といえます。
民泊が満室になる観光シーズン
現在、観光のピークシーズンになると、Dongluo村の民泊やゲストハウスはほぼ満室になる状況が続いています。多くの住民が自宅を改装して宿泊施設として活用し、観光客を受け入れています。
これにより、村では次のような変化が生まれています。
- 観光による収入が家計の新たな柱になる
- 宿泊や飲食を通じて、地域全体として観光産業が育つ
- 地域に伝わる暮らし方や風景を大切にしながら、次世代に受け継ぐ意識が高まる
単に観光客の数を増やすのではなく、村の「生きた遺産(リビング・ヘリテージ)」としての暮らしを保ちながら、経済的な利益も得ている点がDongluo村の特徴です。
観光と暮らしのバランスをどう取るか
農村観光が注目されるとき、必ず課題になるのが「観光で収入を増やしながら、地域の暮らしをどう守るか」という点です。Dongluo村の取り組みは、そのバランスを模索する一つの事例といえます。
菜の花畑や水路、果樹園といった景色は、単なる鑑賞用の風景ではなく、住民の生活と仕事の場でもあります。その意味で、観光客が増えることは、村の日常そのものが外から見られることを意味します。
暮らしを見せることを前提にしながら、その価値をきちんと伝え、収入にもつなげていく——Dongluo村の動きは、農村や地方都市の観光を考えるうえで、多くの示唆を与えてくれます。
日本の読者にとっての問いかけ
日本でも各地で農村観光や地域資源をいかしたまちづくりが進んでいます。Dongluo村のニュースから、次のような問いを考えてみることができそうです。
- 自分の住む地域には、どんな「大地のアート」と呼べるような景観や暮らしがあるか
- 観光客に見せたい暮らしと、そっと守りたい暮らしの境界線をどう引くか
- 地域の人びとが主体となって観光を育てていくために、どんな仕組みが必要か
国際ニュースとしてDongluo村の動きを追いかけることは、遠い国の話を知るだけでなく、自分たちの暮らしや地域の未来を考えるきっかけにもなります。
Reference(s):
cgtn.com








