映画セットから生まれた敦煌シルクロード遺産シティ 異世界感あふれる文化体験
中国・甘粛省にあるThe Dunhuang Silk Road Heritage Cityは、元は映画撮影用のセットとしてつくられた場所が、そのまま文明のテーマパークのような空間になったスポットです。古代中国の宮殿からギリシャのパルテノン神殿、エジプトの神殿までが一度に並ぶ、どこか非現実的な風景が広がっています。
映画セットから生まれた文明横断の街
The Dunhuang Silk Road Heritage Cityは、もともと映画の撮影を行うために建てられたセットです。現在は訪れる人を迎える施設として、シルクロードを行き交ったさまざまな文明の世界観を体験できる場所になっています。
名前にあるシルクロードは、東西の文化や物資が行き交った長い交易路を指します。この施設は、そのイメージを視覚的に再構成し、文明が出会うとはどういうことかを、大規模なセットの中で感じさせてくれます。
古代中国からギリシャ・エジプトまで並ぶ街並み
施設の中心には、世界各地の歴史的建築をかたどったレプリカが並んでいます。古代中国の宮殿のような楼閣のすぐ向こうに、ギリシャのパルテノン神殿を模した列柱、さらにエジプトの神殿風の建物が連なります。現実には地球の反対側にあるはずの景色が、歩いて数分の距離に凝縮されています。
主な特徴として、次のようなポイントが挙げられます。
- 古代中国の宮殿を思わせる伝統的な建築レプリカ
- ギリシャのパルテノン神殿をモデルにした荘厳な柱廊
- エジプトの神殿をイメージした建物や装飾
- 異なる文明の様式が一続きの街並みとして並ぶ不思議な風景
フォトジェニックな巨大像と石窟
敷地内には、空に届きそうなほどの巨大な像や、岩肌を模した石窟もあります。人が足元に立つと、まるで巨人に見下ろされているようなスケール感で、自分の身体感覚が一瞬ゆらぐような体験になるでしょう。
こうした造形は、もともと映画のカメラに映えるよう設計されたものとされ、今では写真撮影を楽しむ人にとっても格好の背景になっています。石窟の前に立った一枚や、巨大な像の足元から見上げる構図など、SNSに載せたくなる写真を狙いたくなる人も多いはずです。
本物だけではない、旅の楽しみ方
The Dunhuang Silk Road Heritage Cityが提供しているのは、実物の歴史遺産そのものではなく、歴史や文明をどう見せるかという演出です。本物とレプリカの違いを意識しながら歩くと、私たちがふだん歴史や異文化をどのようなイメージで捉えているのかを、あらためて考えさせられます。
同時に、この場所は、世界各地を一気に巡るという現実には不可能な体験を視覚的に疑似体験させてくれます。忙しくて長期旅行には出かけにくい人でも、写真や映像を通じて、文明が交差する風景を疑似的に味わうことができます。
シルクロードをめぐる想像力の入口に
シルクロードという言葉はよく耳にしても、その実感を得るのは簡単ではありません。元映画セットという性格をもつこの施設は、あくまで創作された空間でありながら、複数の文明が出会うイメージを分かりやすく形にした場所だと言えます。
旅が現地で何を見るかだけでなく、どんな物語を受け取るかを重視するようになっている今、The Dunhuang Silk Road Heritage Cityのようなスポットは、新しいシルクロード観を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








