北京ファッションウィーク「Lion」 獅子舞がランウェイでよみがえる video poster
北京で開かれているファッションウィークで、中国の伝統芸能・獅子舞をテーマにしたデザイナーZhang Kejiaさんの新作「Lion」2026年春夏コレクションが披露されました。国際ニュースも伝える中国発のメディアCGTNのシリーズ「Lucy's Journey」では、リポーターのLucy Lvさんが、このユニークなショーを詳しく紹介しています。
獅子舞を主役にした「Lion」コレクションとは
「Lion」コレクションは、獅子舞の力強さと華やかさを、現代のファッションへと翻訳した試みです。Zhangさんは、ランウェイを通じて、伝統文化とモードのあいだにある距離を縮めようとしています。
- 獅子舞の象徴性を生かした大胆なモチーフ
- 現代的なシルエットと精緻な刺繍
- 舞台を思わせるドラマチックなレイヤー(重ね着)やケープ
- 光を受けて輝く装飾がつくる「動き」の表現
1体の獅子が躍動するように、各ルック(一つひとつのスタイル)が「歴史」「動き」「アイデンティティ」という物語を紡ぎ出しているのが特徴です。伝統文様を思わせる大胆なプリントと、流れるようなラインが組み合わされ、静と動が同居する世界観が形になっています。
伝統とモダンの「対話」をどうつくるか
今回のランウェイで印象的なのは、単に伝統モチーフを飾りとして使うのではなく、「対話」として扱っている点です。Zhangさんは、過去の技と物語を尊重しながら、シルエットや素材、見せ方で大胆に未来へと踏み出しています。
職人技へのリスペクト
「Lion」コレクションでは、細かな刺繍や、何層にも重ねられた生地が目を引きます。これは、長い時間をかけて磨かれてきた職人技へのオマージュでもあります。獅子舞の衣装に込められてきた祈りや願いを、現代の身体にどう乗せるか──その問いがデザインに反映されているように見えます。
舞うように動くデザイン
獅子舞は、「動き」そのものが魅力の芸能です。ランウェイ上でも、ケープや長く引く裾、レイヤー構造が、歩くたびに揺れ、光を受けて変化します。服そのものが踊りだすような演出は、観客に伝統芸能のダイナミズムを想起させます。
CGTN「Lucy's Journey」が映す北京のいま
このコレクションを追うCGTNの企画「Lucy's Journey」は、文化遺産と現代の暮らしが交わる瞬間をめぐるシリーズです。リポーターのLucy Lvさんは、ランウェイの裏側やデザイナーの狙いを紹介しながら、北京という都市が持つ多層的な表情を伝えています。
番組では、
- 獅子舞が地域社会で果たしてきた役割
- 若い世代が伝統文化をどう受け止めているか
- ファッションが文化を発信する新しい窓口になり得るか
といったテーマにも触れています。単なるファッションリポートにとどまらず、文化と都市の現在地を読み解く視点が加わっている点が特徴です。
日本の読者にとってのヒント
獅子舞をモチーフにした「Lion」コレクションは、中国本土の文化を世界に発信する試みであると同時に、日本にとっても問いを投げかける存在です。日本でも、伝統芸能や工芸を現代のファッションやデザインに取り入れる動きが広がっていますが、そのプロセスは必ずしも単純ではありません。
- どこまでが「文化の継承」で、どこからが「消費」なのか
- 職人の技や地域の歴史を、デザインの中でどう位置づけるか
- グローバルな観客に向けた表現と、ローカルな感覚をどう両立させるか
こうした問いは、北京のランウェイだけでなく、日本のファッションやクリエイティブ業界にも共通するものです。隣国で起きている文化とモードの試みを知ることは、自分たちの社会や表現を振り返るきっかけにもなります。
「読みやすいのに考えさせられる」ファッションニュースとして
北京ファッションウィークの「Lion」コレクションは、華やかな国際ニュースであると同時に、「伝統をどう未来につなぐか」という普遍的なテーマを投げかけています。獅子舞の力強いイメージと、繊細なデザインの組み合わせは、文化の奥行きと創造性の両方を映し出していると言えるでしょう。
通勤中のスマートフォンでも、じっくりPCで読んでも、ふとスクリーンショットを撮ってSNSで共有したくなる──そんな視点から、この北京発のコレクションを眺めてみると、ファッションニュースは単なるトレンド紹介を超えた「社会を考える入り口」になっていきます。
Reference(s):
Lucy's Journey: Heritage meets runway at Beijing Fashion Week
cgtn.com








