ガザでイスラエル空爆、少なくとも40人死亡 国連は子どもの犠牲増加を警告
ガザ地区で現地時間の日曜日、イスラエル軍による空爆が相次ぎ、少なくとも40人のパレスチナ人が死亡したと、ガザの医療当局や人権団体が伝えています。2025年11月8日に公表された国連の報告書は、ガザの戦闘で確認された死者の多くが子どもと女性だと指摘しており、国際人道法の観点から民間人保護が改めて問われています。
北部ジャバリアで住宅が崩壊 少なくとも24人死亡
ガザ北部ジャバリアでは、夜明け前に住宅が空爆を受け、三階建ての建物が破壊されました。ガザに拠点を置くパレスチナ人権センター(PCHR)によると、この攻撃で少なくとも24人が死亡し、周辺の住宅に住む30人が負傷したということです。
イスラエル軍は、ジャバリアでテロ組織の戦闘員が活動していた地点を攻撃したと説明し、この戦闘員が現地で活動するイスラエル軍部隊に脅威を与えていたと主張しています。詳細については現在も検証中だとしています。
ガザ市サブラ地区でも一家が犠牲に
ガザ市では、サブラ地区の住宅が空爆を受け、福祉省の幹部ワエル・アルフール氏とその妻、息子1人、娘2人、孫3人が死亡したと、医療関係者や親族が明らかにしました。
イスラエル軍は、この攻撃に関する報告について確認中だとしています。
包囲が続く病院 移送中に患者1人が死亡
パレスチナ赤新月社は、国際赤十字委員会と協力し、ジャバリアにあるアル・アウダ病院からガザ市内の別の医療施設へ患者20人を移送したと発表しました。
しかし、北部ガザ地区とガザ市を隔てるイスラエル軍の検問所で救急車が数時間足止めされ、その間に患者1人が死亡したとしています。
PCHRなどによれば、ジャバリア周辺の3つの病院は数週間にわたってイスラエル軍に包囲されており、食料や医薬品、燃料が不足するなかでも、病院側は患者を置き去りにすることはできないとして、施設からの全面撤収を求める軍の要請を拒んでいるといいます。
イスラエル軍とハマス側 戦闘を巡る主張の隔たり
イスラエル軍は、パレスチナ武装組織ハマスがガザの民間人や民間施設を軍事目的に利用していると非難しています。一方、ハマス側はこうした指摘を否定しています。
ハマスの軍事部門は、ジャバリア北に位置するベイト・ラヒヤで行った攻撃により、イスラエル兵15人を殺害したと発表しました。この主張について、イスラエル側はコメントしておらず、通信社は独自に確認できていないと伝えています。
国連人権高等弁務官事務所 女性と子どもが約7割と指摘
国連人権高等弁務官事務所は2025年11月8日に公表した報告書で、ガザで続く戦闘において確認された死者のうち、約70パーセントが女性と子どもだったと明らかにしました。この報告は、国連が少なくとも3つの情報源で確認できた事例のみを集計したもので、現在も人数の精査が続いています。
報告書は、こうした傾向は国際人道法の根幹にある区別と均衡性の原則が体系的に侵害されていることを示唆すると指摘しています。区別の原則とは、軍事目標と民間人・民間施設を明確に区別して攻撃しなければならないという考え方で、均衡性の原則は、得られる軍事上の利益に比べて過度な民間人被害を引き起こしてはならないというルールです。
報告書によると、確認された死者のうち18歳以下が44パーセントを占めており、年齢層別では5〜9歳が最も多く、次いで10〜14歳、そして4歳以下の順でした。確認された最年少は生後1日の男児、最年長は97歳の女性だったとされています。
国際人道法の観点から見える問い
今回のように住宅や病院周辺で多数の民間人が犠牲となる状況は、国際社会にいくつかの重要な問いを突きつけています。
- 軍事作戦の目標と手段が、民間人への被害を最小限に抑える形で選ばれているのか
- 現場での判断が、区別と均衡性という国際人道法の原則にどこまで即しているのか
- 包囲下に置かれた病院や医療従事者が、医療活動を継続できる環境が確保されているのか
武力紛争の当事者はすべて、民間人と医療施設を保護し、救急活動を妨げないようにする義務を負っています。ガザで続く戦闘は、こうした原則が現場でどこまで守られているのかを検証し、説明責任を求める必要性を改めて浮き彫りにしています。
読者が押さえておきたい3つのポイント
- ガザ北部ジャバリアなどでの空爆により、日曜日だけで少なくとも40人のパレスチナ人が死亡したと報告されています。
- 病院の包囲や患者移送の遅れなど、人道状況の悪化が続いており、医療体制への圧力が高まっています。
- 国連人権高等弁務官事務所は、確認されたガザの死者の多くが子どもと女性だとし、国際人道法上の重大な懸念を示しています。
ガザで起きていることは、遠い地域の出来事に見えますが、国際人道法や民間人保護というルールがどこまで機能しているのかを考えるうえで、日本を含むすべての国の市民に関わるテーマでもあります。
Reference(s):
At least 40 Palestinians killed in Israeli strikes in Gaza, medics say
cgtn.com








