中国浙江・雲和棚田と義烏の黒糖 農村の収穫を体感する旅 video poster
中国東部の浙江省で、千年以上の歴史を持つ雲和(うんわ)棚田と、「黒糖のふるさと」とも呼ばれる義烏(ぎう)が、2025年の収穫シーズンを迎えています。稲穂やサトウキビが黄金色に実るなか、伝統的な農作業を体験できるスタディツアーや、現地からのライブ配信を通じて、農村の日常を共有する取り組みが進んでいます。
千年の歴史を刻む浙江省・雲和棚田
浙江省の山あいに広がる雲和棚田は、約51平方キロメートルにもおよぶ大規模な棚田です。標高差は1200メートルを超え、山地・丘陵・谷地という三つの地形にまたがって段々に水田が築かれているのが特徴です。東部の中国で最大規模の棚田とされ、千年以上にわたって耕作が続けられてきました。
収穫期のいま、棚田一面が黄金色の稲穂で染まり、農家の人々が手際よく稲を刈り取り、ぷっくりと実ったコメを集めています。急な斜面に沿って幾重にも重なる棚田と、その中で黙々と働く人の姿は、都市の景色とはまったく違う時間の流れを感じさせます。
観光と学びを組み合わせたスタディツアー
地元の文化・観光部門は、今年の収穫に合わせてユニークな「スタディツアー(学びの旅)」を企画しました。雲和棚田の美しい景観を楽しみながら、参加者が伝統的な農作業を実際に体験できるのが特徴です。
用意されている体験は、例えば次のようなものです。
- 鎌を使った稲刈り体験
- 稲を脱穀する作業の体験
- 収穫したコメを使った簡単な手工芸づくり
単に棚田を眺めるだけでなく、「なぜこの地形で棚田が広がったのか」「農村での暮らしはどう支えられているのか」といった問いに触れられる点も、スタディツアーならではです。観光と学びを組み合わせることで、農村の魅力をより深く理解してもらおうという狙いがあります。
義烏は「黒糖のふるさと」 サトウキビの収穫が最盛期
同じ浙江省の義烏市は、「黒糖のふるさと」として知られています。現在、義烏ではサトウキビの収穫シーズンを迎え、農家の人々が畑で忙しくサトウキビを刈り取っています。
収穫されたサトウキビは、葉が落とされ、適切な長さに切りそろえられたあと、黒糖づくりに使われます。現地では、サトウキビからしぼった甘い汁を煮詰め、固めていく伝統的な製法も受け継がれています。火を囲みながら、とろりとした糖液が少しずつ濃くなっていく様子は、見ているだけで甘い香りが伝わってくるようです。
ライブ配信で「現場の空気」に触れる
今回の取り組みでは、雲和棚田での稲刈りや、義烏でのサトウキビ収穫、黒糖づくりの様子が、現地からライブで発信されています。視聴者は画面越しに、棚田の広がりや、サトウキビ畑のにぎわい、黒糖ができあがる過程を同時に見守ることができます。
日本にいながら、
- 中国東部の農村の景色
- 農家の人々の手仕事
- コメや黒糖が食卓に届くまでの流れ
といった要素に触れられる点は、デジタル時代ならではです。旅行がすぐには難しい人にとっても、次の旅先を考えるヒントや、「食の背景」を理解するきっかけとなりそうです。
農村から考える、これからの「食」と観光
雲和棚田や義烏の取り組みは、観光と農業を対立させるのではなく、互いを支え合う形で共存させようとする試みとも言えます。訪れる人は美しい景観や特産品を楽しみつつ、農家にとっては収入の多様化につながります。
また、都市部で暮らす人が、稲やサトウキビがどのように育ち、どれほどの手間をかけて収穫されるのかを知ることは、フードロス(食べ物の無駄)や、持続可能な農業を考える第一歩にもなります。
2025年の今、オンラインとオフラインを組み合わせながら、農村の日常や収穫の喜びを共有する動きは、中国の各地で広がりつつあります。浙江省の雲和棚田と義烏からの発信は、その一つの象徴的な例だと言えるでしょう。
Reference(s):
Live: Experience the countryside harvest scene in E China's Zhejiang
cgtn.com








