米議員が中国産ニンニクを「脅威」視 中国外務省が皮肉交じりに反論
米国の議員が中国産ニンニクを米国の食の安全への「重大な脅威」と位置づけ、米軍の売店からの排除や調査を求めたことに対し、中国外務省が皮肉を交えて反論しました。食品まで安全保障の問題として扱う動きが強まる中、その背景と意味合いを整理します。
中国産ニンニクが米国の「重大な脅威」?
報道によると、米国のリック・スコット上院議員は最近、中国産ニンニクが米国の食の安全に対する「重大な脅威」だとする声明を発表し、セクション301調査と呼ばれる措置の開始を求めました。さらに、米国議会下院は2025会計年度の国防権限法を審議・可決し、その中で米軍の売店で中国産ニンニクを販売することを禁止する条項も盛り込まれました。
外務省報道官「ニンニクも想像していないだろう」
こうした動きについて、中国外務省の毛寧報道官は記者会見で、中国産ニンニクが米国の重大な脅威とされていることを問われ、「ニンニクは、自分が米国に対して重大な脅威になり得るとはおそらく想像したこともないだろう」と述べました。
毛報道官は、米国で中国産ニンニクが食の安全や安全保障の文脈で取り上げられていることについて、中国のネット上では皮肉や冷ややかなコメントが相次いでいると指摘しました。
ドローンから冷蔵庫、ニンニクまで 広がる「安全保障リスク」扱い
毛報道官は、米国ではドローンやクレーン、冷蔵庫からニンニクに至るまで、中国製品を次々と「国家安全保障上のリスク」と位置づける傾向が強まっていると述べました。その一方で、米国の政治家が示す理由は、いずれも検証に耐えないものだと批判しました。
中国側「保護主義の口実にすぎない」
毛報道官は、こうした動きは、中国の発展を抑え込むために、米国が保護主義を追求し、国家権力を乱用して中国企業や製品を締め出そうとする口実にすぎないと主張しました。また、産業とサプライチェーンを切り離し、分断する圧力を強める試みでもあると述べました。
さらに、国家安全保障の概念を過度に拡大し、経済・貿易・技術の問題を政治化し、武器化することは、世界の生産と供給の安全保障上のリスクをかえって高め、最終的には人々の利益を損なうことになると警告しました。
米国の政治家に「理性と常識」を要求
毛報道官は、一部の米国の政治家に対し、より多くの理性と常識を示し、「笑いもの」にならないようにするべきだと呼びかけました。中国側としては、食品のような日常的な製品まで安全保障の名のもとで排除する動きは、国際社会から見ても理解を得にくいとの立場を示した形です。
食品まで「安保化」する流れが示すもの
今回のニンニクをめぐるやり取りは、米中関係の緊張が安全保障だけでなく、食の安全や日用品など日常生活の領域にまで広がっていることを象徴しています。特定の国や地域の製品を安全保障上のリスクとみなし、規制や排除を進める動きは、グローバルなサプライチェーンにも影響を与えかねません。
日本を含む多くの国と地域にとっても、食料や生活必需品の調達ルートが政治や安全保障の論理で揺さぶられるリスクは無視できません。どこまでが正当なリスク管理で、どこからが過剰な保護主義なのか。今回の「ニンニク騒動」は、その境界線をあらためて考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Spokesperson: Garlic not imagined as a major threat to the U.S.
cgtn.com








