湾岸諸国がイスラエルのシリア空爆とゴラン入植計画を非難
イスラエルによるシリア各地への空爆と、ゴラン高原での入植計画をめぐり、湾岸諸国が強く反発しています。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ドナルド・トランプ次期米大統領との協議内容を明かしつつ、シリアと周辺地域での軍事行動を正当化しました。
湾岸諸国が空爆と入植計画を非難
見出しが伝えるように、湾岸諸国はイスラエルのシリア空爆とゴラン高原での入植計画を非難しています。シリア情勢が大きく動く中での軍事行動と入植の動きは、地域の緊張をさらに高めかねないものとして受け止められています。
ネタニヤフ首相、トランプ次期大統領とシリア情勢を協議
イスラエルのネタニヤフ首相は日曜、トランプ次期米大統領と電話会談を行ったと明らかにしました。協議の焦点はシリアを含む中東の「主要な地域問題」だったとされています。
ネタニヤフ首相はこの会談の中で、中東情勢が変化していると指摘し、ここ1年のあいだにイスラエルがレバノン、ガザ、イエメン、シリアで行ってきた作戦により、イランの影響力が弱まったと主張しました。
一方で同首相は、イスラエルはシリアと正面から対決する意図はないとしつつも、今後の方針は「地上で変化し続ける現実」によって決まると述べ、情勢次第で対応を柔軟に変える構えを示しました。
アサド政権崩壊後の空爆「数日で数十年分の能力を破壊」
ネタニヤフ首相はまた、シリアのアサド政権が12月8日に崩壊したとされることに言及し、その直後の数日間に行われた一連の空爆について「数日間で、アサド政権が数十年かけて築いた能力を破壊した」と強調しました。
その目的については、シリア国内の武器がイスラエルに向けて使用されたり、シリアからヒズボラへ移転されたりすることを防ぐためだと繰り返し説明し、防衛的措置だと位置づけています。
シリア各地で相次いだイスラエル空爆
戦況を監視する団体によりますと、日曜の夜遅く、イスラエル空軍機がシリア各地の旧軍事施設に対して複数の空爆を行いました。
- ザマ近郊にある第107大隊のミサイル基地
- タルトゥス地方の農村部にある武器倉庫
これらの施設が標的となり、空爆が実施されたと伝えられています。
それに先立ち同じ夕方には、シリア東部のデリゾール軍用空港にあるレーダー施設がイスラエル戦闘機による攻撃を受けたとされています。また日曜の早い時間帯には、ダマスカス郊外の山中に掘り込まれた旧弾薬庫が空爆の標的になり、一連の強烈な爆発が発生しました。
これらの攻撃による死傷者は、現時点で報告されていないとされています。
湾岸諸国の反発と地域秩序への影響
シリア各地への空爆に加え、ゴラン高原での入植計画が進められていることは、湾岸諸国にとって、紛争終結後の地域秩序を一方的に形作ろうとする動きと映りかねません。そのため、非難の声は軍事面だけでなく、政治的なメッセージに対しても向けられています。
イスラエル側は、自国防衛と周辺勢力への武器移転阻止を強調していますが、湾岸諸国が空爆と入植計画をセットで問題視していることは、ポスト・アサド期のシリアや広く中東の権力バランスをめぐる見方の違いを浮き彫りにしています。
トランプ次期大統領が今後、シリアやイスラエル、湾岸諸国との関係をどう位置づけるのかはまだ不透明です。イスラエルの軍事行動、湾岸諸国の反発、そして米国の新政権の方針が、これからの地域情勢を大きく左右する可能性があります。
考える材料としての「シリア空爆」と「ゴラン入植」
今回の一連の動きは、単なる軍事ニュースにとどまらず、以下のような問いを投げかけています。
- テロや越境攻撃を防ぐための「自衛」と、周辺国が感じる「脅威」の線引きはどこにあるのか
- 政権崩壊後のシリアで、誰がどのような「秩序」をつくっていくのか
- 入植計画のような既成事実化の動きは、和平や対話の余地を広げるのか、狭めるのか
湾岸諸国による非難、イスラエルの安全保障上の論理、米国の関与の仕方などが複雑に絡み合う中で、読者一人ひとりがどのような中東像を描くのかが問われています。
Reference(s):
Gulf states condemn Israel's Syria strikes, Golan settlement plans
cgtn.com








