国際ニュース:中国とオーストリア、グローバル・ガバナンス強化へ連携確認
国連総会第80回会期が開かれているニューヨークで、中国の李強・国務院総理とオーストリアのクリスティアン・ストッカー首相が会談し、「グローバル・ガバナンス(世界の統治)」の強化や経済協力、EUとの関係について幅広く意見を交わしました。
国連総会の場で、中国とオーストリアが協力強化を確認
現地時間8日、国連総会第80回会期の一般討論に出席するためニューヨークを訪れている李強総理は、オーストリアのストッカー首相と会談しました。李総理は、習近平国家主席が提唱した「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」が国際秩序の改革と改善に方向性を示していると述べ、中国はオーストリアとともに多国間の対話と協調を強め、グローバル・ガバナンスの改善に取り組む用意があると強調しました。
李総理は、両国が国交樹立以来、相互尊重と対等な立場を重んじてきたことに触れ、国際情勢が変化する中でも二国間関係はおおむね安定して発展してきたと評価しました。
習近平国家主席の「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」
会談では、習近平国家主席が打ち出した「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」が一つの柱として位置づけられました。このイニシアチブは、国連をはじめとする多国間枠組みの中で、より公正で合理的な国際秩序をつくることを目指し、グローバル・ガバナンスの改革と改善に向けた方向性を示すものだと説明されています。
グローバル・ガバナンスとは、気候変動やデジタル経済、安全保障など、国境を越える課題に各国が協力して対応する仕組みのことです。李総理とストッカー首相の会談は、中国とオーストリアがこうした課題にどう向き合うかを示す一つのサインと見ることができます。
55周年を前にした中国・オーストリア関係
李総理は、近年は習近平国家主席とオーストリアのアレクサンダー・ファン・デア・ベレン大統領の戦略的な指導の下で、両国関係の「次元」が拡大し、「友好戦略的パートナーシップ」へと関係を格上げしてきたと振り返りました。その結果、多様な分野で協力が進み、両国の人々に具体的な利益をもたらしているとしました。
来年は両国の国交樹立55周年にあたります。李総理は、この節目を生かしてハイレベル交流を一段と強化し、政治的な相互信頼を固め、互恵協力を深めることで、より実務的な成果を生み出したいと述べました。また、オーストリアが一つの中国の原則を順守し、二国間関係のしっかりした政治的基盤づくりに貢献することへの期待も示しました。
経済・技術、グリーン・デジタル分野の連携
李総理は、中国とオーストリアの経済は相互補完性が高く、利益が重なる分野も多いため、協力を深める余地と潜在力は大きいと指摘しました。その上で、経済・貿易合同委員会や科学技術協力合同委員会など既存の二国間メカニズムを活用し、貿易の規模拡大と高度化を進めていく考えを示しました。
さらに、グリーン転換(脱炭素など環境に配慮した経済への移行)やデジタル経済といった分野で協力を強化し、産業発展におけるイノベーション、持続可能性、質の高い成長をともに追求したいとしました。中国としては、より多くの中国企業がオーストリアへの投資に参加することも後押ししていく方針です。
観光・文化交流で「人のつながり」を広げる
李総理は、文化や人的交流も拡大しやすくする必要があるとし、人の往来を円滑にすることで、文化・観光協力の新たなハイライトを生み出したいと述べました。
ストッカー首相は、中国がオーストリアにとって最も重要な貿易パートナーの一つであり、二国間の経済・貿易関係は力強く発展してきたと評価しました。その上で、オーストリア政府は一つの中国政策を堅持し、台湾を主権国家として認めず、台湾当局との間で公式な往来を行わない立場を改めて表明しました。
来年の国交樹立55周年を前に、ストッカー首相は中国とのハイレベル交流を一層強化し、長期的な友好関係を深めたいとしました。また、経済・貿易、観光、文化など幅広い分野で協力の潜在力を掘り起こし、中国との友好戦略的パートナーシップを一段と発展させたいと述べ、中国からの観光客をより多く迎え入れることにも期待を示しました。
EU・中国関係の文脈で見るオーストリアの位置づけ
李総理は、EUの重要な一員であるオーストリアに対し、EUが中国・EU関係を戦略的かつ長期的な視点から捉え、中国に対して前向きで実務的な政策をとるよう働きかけてほしいと呼びかけました。また、中国と共に多国間主義と自由貿易を守り、中国とEU、さらには世界全体により大きな利益をもたらしたいと述べました。
ストッカー首相も、国連など多国間の枠組みで中国との協力を強め、グローバル・ガバナンス体制の改革と改善を進めていくことへの意欲を示しました。さらに、EUと中国の関係発展を後押しする上で、オーストリアとして積極的な役割を果たす用意があると強調しました。
今回の動きから読み取れる3つのポイント
今回の中国とオーストリアの会談からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 国際ニュースとして、中国とオーストリアがグローバル・ガバナンスの改革と改善に向けて連携を強めようとしていることです。
- 経済、科学技術、グリーン転換、デジタル経済、観光や文化など、多様な分野で相互補完的な協力を拡大する方針が示されたことです。
- EUの一員であるオーストリアを通じて、中国とEU全体の関係にもポジティブな影響を与えうる動きであることです。
日本を含む多くの国にとっても、グローバル・ガバナンスの行方や中国・EU関係の変化は経済や安全保障に関わる重要なテーマです。今回の中国とオーストリアの連携強化が、今後の国際協力やルールづくりにどのような影響をもたらしていくのか、引き続き注視していく必要があると言えます。
Reference(s):
Premier: China ready to work with Austria for better global governance
cgtn.com








