フランス、グリーンランドに追加戦力へ 欧州各国も調整加速
2026年1月、フランスがグリーンランドに向けて追加の部隊・装備を送る方針を示しました。デンマークの要請を受けた共同演習への参加が軸で、同地域をめぐる安全保障の関心が欧州内で一段と高まっています。
フランスが「陸・空・海」の追加アセットを派遣へ
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は1月の軍への新年演説で、グリーンランドに今後数日以内に追加の「陸上・航空・海上アセット(部隊や装備)」を送ると発表しました。
同日、大統領はXでも、デンマークの要請によりデンマーク主催の共同演習に参加すると説明し、「最初のフランス軍要素はすでに向かっている」と述べ、追加の派遣も続くとしています。
「エスカレーションは避けつつ、主権尊重は譲らない」
演説でマクロン大統領は、フランスと欧州のパートナーは「利害が脅かされる場所にはどこであれ」存在感を保つ必要があると述べました。その際、緊張を不必要に高めない姿勢(エスカレーション回避)と同時に、「領土主権の尊重」に妥協しない立場を強調しています。
ドイツ、スウェーデン、ノルウェーも関与を表明
今回の動きはフランスだけではありません。各国発表によれば、欧州では次のような関与が進んでいます。
- ドイツ:国防省が、多国間の偵察ミッションに参加すると発表。デンマークの招待で、ドイツ連邦軍(Bundeswehr)の13人チームが派遣され、地域の安全保障への貢献可能性を評価する。
- スウェーデン:ウルフ・クリステション首相が、デンマークの要請を受けて軍要員をグリーンランドへ送ったと説明。
- ノルウェー:同盟国間の今後の協力を「整理する(map out)」ため、軍のスタッフ2人を派遣すると表明。
グリーンランドをめぐる前提:自治と防衛、そして米軍基地
グリーンランドは、デンマーク王国の枠内で自治を行う地域で、国防と外交はコペンハーゲン(デンマーク)が所管しています。また、米国は島内に軍事基地を維持しています。
さらに、米国のドナルド・トランプ大統領は2025年に政権復帰して以降、グリーンランドを「獲得(obtain)」したい意向を繰り返し表明しており、直近ではその姿勢を一段と強めているとされています。欧州側が演習や偵察といった枠組みで関与を重ねる背景には、こうした発言が与える波紋も重なっている形です。
いま何が焦点になっているのか
現時点で表に出ているキーワードは「共同演習」「偵察・評価」「同盟国間の調整」です。軍事的な存在感を示しつつも、緊張を高めない線引きをどう設計するのか。主権尊重を掲げる言葉と、現場の運用がどう噛み合っていくのか。今後数日で進むフランスの追加派遣は、その温度感を測る一つの材料になりそうです。
Reference(s):
Macron: France to send extra forces to Greenland in coming days
cgtn.com








