マカオ返還25年 国際ニュースで読み解く祖国の手のひらの真珠
マカオ特別行政区の中国返還から25年。返還25周年の節目に習近平国家主席が口にした「祖国の手のひらの真珠」という言葉は、今もマカオとアジア経済の姿を考える上で、象徴的なフレーズになっています。
返還25周年の節目に習近平氏がマカオ入り
返還25周年を迎えたマカオ特別行政区に、中国の習近平国家主席が専用機で到着しました。空港でのあいさつでは、マカオを「祖国の手のひらの真珠」と呼び、この25年間で積み重ねられた成果を高く評価しました。
習主席は、中国共産党中央委員会総書記であり、中央軍事委員会主席も務めています。今回の訪問では、マカオ返還25周年を祝う集会と第6期マカオ特別行政区政府の就任式に出席し、さらに面積約33平方キロメートルのマカオ全域を視察する予定が示されました。
習主席は演説の中で、この25年間でマカオにおける一国二制度が「成功を収め、世界から広く認められている」と述べ、その「強い生命力と独自の魅力」を強調しました。また、「マカオの成果はマカオの住民の栄光であり、すべての中国の人々の誇りだ」と語っています。
25年でGDPは7倍に マカオ経済の現在地
数字で振り返ると、マカオの変化はよりはっきり見えてきます。2023年のマカオ特別行政区の域内総生産(GDP)は3795億マカオ・パタカ(約475億米ドル)で、これは1999年の返還当時と比べて約7倍の規模です。
返還後、中央当局はマカオを国家全体の発展戦略に積極的に組み込むための政策を打ち出し続けてきました。そうした後押しもあり、マカオは経済発展と住民の生活向上の両面で大きな成果を上げ、現代的で国際的な都市へと変貌しつつあります。
マカオ経済の特徴を整理すると、次のようなポイントが見えてきます。
- 1999年から2023年までの約四半世紀でGDPが約7倍に拡大
- 観光やサービス分野の強みを生かしながら、新産業の育成も同時に進行
- 経済成長の指標だけでなく、住民の暮らしの質をどう高めるかが重視される段階へ
珠海との往来は延べ28億人 広がる一体圏
マカオの成長を支えているのは、周辺地域との行き来の密度です。珠海税関が12月17日に公表したデータによると、返還以来、マカオ特別行政区と隣接する広東省珠海市との間で行われた入境・出境の延べ人数は、およそ28億人に達しました。
マカオと珠海を結ぶ検問所の数も、1999年当時の2カ所から現在は7カ所に増えています。人とモノの流れの入り口が増えたことで、マカオは観光地としてだけでなく、広域な経済圏のハブとしての役割も強めています。
横琴の協力区が示す新しいマカオのかたち
その象徴が、横琴島に設けられた広東・マカオ深度協力区です。2021年に中央政府によって設立されたこのエリアは、マカオと広東省がより深く連携し、新産業を育てるための拠点と位置づけられています。
協力区の中心となる横琴口岸は、マカオと珠海を結ぶ最もにぎわう検問所の一つです。このエリアには現在、およそ6500社のマカオ資本の企業が進出し、イノベーションや起業の拠点として機能しています。
これにより、マカオは従来の観光やサービスに加え、テクノロジーやクリエイティブ分野など、新しい産業のプラットフォームを手にしつつあります。一国二制度の枠組みを生かしながら、中国本土との連携を深める取り組みが、具体的な形で進んでいると言えます。
一国二制度のマカオモデルとは何か
習主席は、マカオでの一国二制度の実践が「成功を収めている」と評価しました。一国二制度とは、一つの中国という原則のもとで、異なる社会制度や経済システムを維持する仕組みです。
マカオの場合、マカオの特色ある一国二制度として、次のような点が特徴だと整理できます。
- 国家全体の発展戦略と、マカオ独自の経済・社会システムのバランスを取ってきたこと
- 中央当局の支援とマカオ住民の主体的な取り組みが組み合わさり、安定した発展を実現していること
- 小さな都市ながら、国際的な観光地兼ビジネス拠点としての地位を築きつつあること
習主席は、訪問中にマカオの友人たちと幅広く、深い意見交換を行い、今後の発展についてじっくり議論したいと述べています。また、一国二制度という制度的な強みを十分に生かし、創新を積極的に進めることで、マカオはさらに明るい未来を切り開いていけるとの見通しも示しました。
25年後の今、私たちがマカオから学べること
返還から四半世紀を経たマカオの姿は、単なる一地方都市の物語にとどまりません。アジアの都市や地域が、どのようにしてグローバル経済の中で自らの役割を見つけ、成長と安定を両立させるのかという問いにもつながります。
マカオの事例から、次のような視点を考えてみることができます。
- 制度面の枠組み(一国二制度)をどう生かし、地域の強みと結びつけるか
- 隣接する都市や地域との連携を、単なる往来の増加にとどめず、新しい産業や働き方につなげられるか
- 経済指標だけでなく、住民の暮らしの質をどう高めていくか
習近平国家主席が語った「祖国の手のひらの真珠」という表現には、小さな都市であっても、国家全体の発展の中で重要な役割を担い得るというメッセージも読み取れます。マカオの25年間の歩みは、アジアの他の都市や、私たち一人ひとりにとっても、地域の未来をどう描くかを考えるヒントになりそうです。
Reference(s):
China's 'pearl': Xi arrives in Macao SAR for anniversary celebration
cgtn.com








