ウクライナ危機「平和の友人」国連会合 グローバルサウスの声
2024年12月18日、ウクライナ危機の和平をめぐって国連で開かれた「平和の友人」グループの会合は、グローバルサウスを中心とする国々がどのような原則と視点で紛争終結を目指しているのかを示す重要な場となりました。
中国の国連常駐代表部の発表によると、この会合では昨年9月の閣僚級会合でまとめられた共同コミュニケの内容を改めて確認しつつ、ウクライナで続く武力衝突とそのエスカレーションのリスクについて議論が行われました。本記事では、そのポイントを整理し、日本語で読みやすい形で紹介します。
「平和の友人」グループ、昨年12月に国連で会合
今回の会合は、各国の国連常駐代表レベルで行われたもので、2024年9月27日にニューヨークで開かれた閣僚級会合以来、初めての集まりでした。前回の閣僚級会合には、主にグローバルサウス(アジアやアフリカ、ラテンアメリカなどを含む新興・途上国を中心とした国々)から、地域をまたぐ幅広い参加があったとされています。
参加国は、9月の閣僚級会合後に発表された共同コミュニケについて、特に次の点を重視して振り返りました。
- グローバルサウスを主な構成としつつ、紛争地域に近い国々も含めた国々が、ウクライナ危機に対する懸念を初めて集団として表明したこと
- この枠組みへの関心が、他の国連加盟国にも広がっていること
こうした背景のもとで、「平和の友人」グループは、ウクライナ危機に対する自らの姿勢を改めて確認する場として、昨年12月の会合を位置づけました。
再確認された4つの基本原則
声明によれば、参加国は9月の共同コミュニケで示された主要な原則を再確認しました。その中核となるキーワードは次のとおりです。
- 主権と領土一体性の尊重:各国の主権と領土の一体性を尊重すること
- 各国の正当な懸念への配慮:安全保障などに関する各国の「正当な懸念」を尊重すること
- 平和・安全・繁栄の原則:国際社会が平和・安全・繁栄の原則を維持する必要があること
- 紛争の平和的解決:バンドン原則でも強調されたように、あらゆる国際紛争は平和的な方法で解決されるべきだということ
バンドン原則は、かつてのアジア・アフリカ会議で示された、主権尊重や平和共存などの考え方として知られています。「平和の友人」グループは、ウクライナ危機の解決においても、こうした原則を土台にすべきだと改めて強調しました。
戦闘拡大への懸念と「エスカレーション回避」
参加国はまた、ウクライナでの武力衝突の現状や「最近のエスカレーションの潜在的なリスク」について意見を交わし、継続する戦闘への懸念を表明しました。
声明のなかで強調されたのは、とくに次の点です。
- 紛争の「エスカレーション回避」に関する原則を守る必要があること
- 戦場をこれ以上拡大させないこと(非拡大)
- 戦闘の激化を避けること(非激化)
これらは、9月の共同コミュニケでも示されていた考え方であり、昨年12月の会合で改めて確認されました。軍事的な手段ではなく、緊張を下げる方向に舵を切るべきだというメッセージが読み取れます。
包括的で持続的な解決へ 外交と政治プロセスを重視
会合の参加国は、ウクライナ危機の「包括的で持続的な解決」に向けて、当事者による対話を中心に据えるべきだと呼びかけました。その際に掲げられたのが、次のようなアプローチです。
- 国連憲章と国際法に基づくこと
- 包摂的な外交と政治的手段を通じて解決を図ること
- まずは敵対行為の停止(戦闘の停止)から始めること
参加国は、ウクライナ危機の当事者がこうした枠組みに基づいて交渉を進めることを支持すべきだと主張しました。
さらに声明では、「国際社会、グローバルサウス、そして国連が、和平を後押しするうえで建設的な役割を果たせる」との見方も示されました。より多くの国が、政治的・平和的な解決に対する幅広い支持を表明することが、紛争終結への環境づくりにつながるという発想です。
参加国は、「平和の友人」グループとして今後も積極的にこの問題に関与していくことを確認しました。
なぜ今、この会合を振り返るのか
この会合が開かれたのは2024年ですが、そのメッセージは現在の国際情勢を考えるうえでも示唆に富んでいます。ウクライナ危機が続くなかで、軍事的な視点だけでなく、どのような原則に基づいて和平を構想するのかという問いが、改めて重要になっているからです。
昨年の「平和の友人」会合からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 紛争当事者だけでなく、グローバルサウスを含む多様な国々が、ウクライナ危機の和平プロセスに関心を寄せ、声を上げていること
- 「主権」「領土一体性」「正当な懸念」「平和的解決」といったキーワードが、どの紛争でも繰り返し問われる共通の原則になっていること
- 国連や多国間の枠組みが、対立を深めるためではなく、対話と妥協の余地を探る場として活用されていること
ウクライナ危機をめぐるニュースは、地理的には遠い出来事であっても、国際秩序や安全保障、エネルギーや経済など、私たちの日常とも無関係ではありません。「平和の友人」グループが示した原則を手がかりに、自分ならどのような和平の道筋を描くか、一度立ち止まって考えてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Meeting of the Group of 'Friends for Peace' on the Ukraine crisis held
cgtn.com








