国際ニュース:中国映画『Creation of the Gods II』が描く牧野の戦いと歴史
映画『Creation of the Gods II』は、古代中国の「牧野の戦い」を題材に、歴史と伝説が交差する世界を描き出します。今年の春節初日(水曜日)に公開された第2作をきっかけに、この物語の背景にある早期の中国文明や王朝交代のドラマに、改めて関心が集まっています。
創作と歴史が交差する中国映画
中国のファンタジー映画シリーズ『Creation of the Gods』は、16世紀に書かれた古典小説をもとにした作品です。物語の軸になっているのは、中国第二王朝とされるShangと、その玉座に挑むZhouとの対立です。
今年の第2作『Creation of the Gods II』は、このShangとZhouの戦いが最終的に向かう「牧野の戦い」へと物語を大きく動かしていきます。作品では、対立する陣営それぞれに属する半神的な存在たちが、栄光のため、あるいはより大きな意志に抗うために刃を交える姿が描かれます。
語り口は、古代叙事詩と現代のヒーロー映画のあいだを行き来するようだとも言われます。ホメロスの『イリアス』のような運命の戦いに、アメコミ作品『X-Men』を思わせる超人的な能力やチームのドラマが重なり合う構図です。
「牧野の戦い」とはどんな戦いか
作品のクライマックスとして準備されている牧野の戦いは、古代中国史のなかでも特に称えられてきた戦いの一つとされています。その舞台は、雨と寒さのなかで朝日が差し込む戦場です。冷え切った剣や戈が兵士たちの手の感覚を奪い、濡れた草原の上を戦車が運命に向かって進んでいく――そんな情景が重ねられます。
物語の設定として語られるポイントを整理すると、次のようになります。
- Shangは、中国で二番目の王朝と位置づけられる存在であること。
- Zhouは、そのShangに王座をかけて挑む勢力として登場すること。
- この戦いののち、Zhouが紀元前256年まで中国を治めることになること。
つまり牧野の戦いは、一つの王朝の時代が終わり、次の時代へと移り変わる象徴的な戦いとして描かれています。同時に、それは個々の戦士たちにとっては、自らの信念と向き合う場でもあります。
戦場描写が伝える「初期中国文明」の手触り
冒頭で描かれる冷たい雨の朝、手の感覚を奪うほど冷えた武器、湿った草原を進む戦車――こうした描写は、単なる雰囲気づくりにとどまりません。そこには、早期の中国文明の姿がにじんでいます。
金属製の武器や戦車を操る組織化された軍隊、自然と切り結ぶようにして進む戦い、そしてその行方が一つの文明の行方と結びついているという感覚。映画を通じて描かれるのは、戦士たちの物語であると同時に、初期の中国文明が形づくられていく過程でもあります。
伝説としての物語をどう読むか
『Creation of the Gods II』の世界では、歴史的な出来事が、そのまま記録としてではなく、神々や半神たちが関わる大きな物語として再構成されています。史実とされる出来事の上に、運命や天命といった要素が重ねられ、戦いは人間だけのものではなくなります。
こうした語り方は、「歴史は誰の視点で語られるのか」「権力の正統性はどのように物語られるのか」といった問いを私たちに投げかけます。王座を争う勢力の物語でありながら、一人ひとりの戦士や民衆がどのように運命と向き合うのかを考えさせられる構成になっているからです。
日本語で触れる意義――アジアの物語を自分の文脈で読む
古代中国の戦いを描いた物語と聞くと、どこか遠い世界の話に感じるかもしれません。しかし、王朝交代や権力闘争、正義とは何かをめぐる葛藤は、現代に生きる私たちにもつながるテーマです。
日本語でこの物語に触れることは、アジアの隣国で語り継がれてきた歴史と伝説を、自分の言葉で咀嚼し直すことでもあります。スクリーンに映る戦場の情景の向こう側に、どのような価値観や世界観があるのかを想像してみると、作品の見え方はぐっと深まります。
あなたなら、牧野の戦いという歴史と、半神たちが活躍する伝説とが重なるとき、どのように物語を読み解きますか。
Reference(s):
cgtn.com








