モルディブの視力を救う中国医療チーム 国際医療協力プロジェクトの10年 video poster
美しい海に囲まれたモルディブで、視力を失いかけた人びとに「見える日常」を取り戻す国際医療協力が続いています。2016年から中国の医療チームが進める眼科プロジェクトが、離島を含む多くの住民に希望を届けています。
島国モルディブが抱える目の医療の壁
観光地として知られるモルディブですが、その地理的な特徴は住民の医療アクセスを難しくしています。多数の島々に人口が分散しているため、特に外側の島では眼科医が不足し、専門的な治療を受けにくい状況が続いています。
白内障(はくないしょう)、緑内障、糖尿病網膜症といった目の病気に苦しむ人は数千人に上るとされますが、早期の検診や治療が届かないことで、視力を失うリスクが高まっています。
中国医療チームの"Bright Journey"とは
こうした課題に応えるため、2016年から中国の医療チームがモルディブで実施しているのが、眼科医療プロジェクト"Bright Journey"です。この取り組みでは、住民を対象にした無料の目の検診や手術が行われています。
プロジェクトの活動内容には、次のようなものが含まれます。
- 島々での無料の眼科スクリーニング(検診)の実施
- 視力を大きく損なう白内障などに対する無料の手術
- 緑内障や糖尿病網膜症といった病気の早期発見と治療の提供
費用の心配や距離の問題から治療をあきらめていた人びとにとって、"Bright Journey"は文字通り光をもたらす存在になっています。
2020年設立のChina-Maldives International Ophthalmology Center
2020年には、モルディブの眼科医療をさらに強化するため、中国とモルディブの協力により"China-Maldives International Ophthalmology Center"が設立されました。このセンターには、最新の技術を備えた設備が導入され、現地で高度な検査や治療を行う基盤が整えられています。
これにより、これまで国外まで出なければ受けられなかったような専門的な目のケアを、モルディブ国内で受けられる体制づくりが進められています。
数字で見る成果:6000人超の診察と700件の手術
過去10年あまりの取り組みの中で、モルディブには7つの中国医療チームが派遣されてきました。これまでに6000人を超える患者が診察を受け、700件に及ぶ手術が行われています。
一つひとつの手術の背後には、仕事や学業を続けたい人、家族の顔をはっきり見たいと願う人など、さまざまな人生の物語があります。視力を取り戻すことは、単に「見えるようになる」だけでなく、日常生活の自立や将来の選択肢を広げることにもつながります。
見えることがもたらす希望
島しょ国ならではの医療の難しさを抱えるモルディブで、"Bright Journey"と国際眼科センターの取り組みは、医療アクセスの格差を埋める一つの試みと言えます。
国境を越えた医療協力が、実際に暮らす人びとの生活をどう変えていくのか。視力を取り戻した6000人以上の経験は、国際ニュースとしての話題にとどまらず、これからの世界の医療協力のあり方を考える手がかりにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








